大沢たかお主演!さだまさし名曲を映画化「風に立つライオン」ケニアロケ快調
2014年11月27日 05:00

[映画.com ニュース] さだまさしが1987年に発表した名曲「風に立つライオン」にほれ込んだ、俳優・大沢たかおが小説化、映画化を熱望した壮大なプロジェクトが始動した。配給大手の東宝は、さだが大沢からの熱烈オファーを受け13年に発表した同名小説を三池崇史監督のメガホンで映画化し、すでにアフリカのケニアで撮影中であることを発表した。
今作に主演するのは、並々ならぬ思いを胸に撮影に臨んでいる大沢だ。遠く離れて暮らす恋人に恋情を募らせながらも、ケニアの過酷な医療環境のなかで心と体に傷を負った多くの患者たちに真摯に向き合う医師・島田航一郎に扮する。大沢がさだ原作の映画化作品に出演するのは、「解夏」(04)、「眉山」(07)に続き3度目となる。
10月中旬に長崎でクランクインした撮影は順調に進み、11月中旬からは舞台をケニアに移している。約1カ月間のケニアロケに突入している大沢だが、「ケニアは2度目なんですが、1回目に来た時は『風に立つライオン』という曲を聞いて来たというのが大きかったので、ビクトリアの滝だったりフラミンゴだったりを実際に見ながら、誰にも頼まれていないのに一人ロケハンしている感じだった(笑)」という。
楽曲の世界に触れたことで、さらに今作への思いを強めたそうで「今回のような歌から始まって小説、そして映画に至る流れって、何かに守られているというか、なにかに後押しされているような、そんな風に感じています」と語る。そして、「小説の中に命のバトンをつないでいくというメッセージがあるように、今回のプロジェクトには、さだまさしさんの『風に立つライオン』という歌があり、それが小説というバトンとして、僕からプロデューサーの方に引き継がれ、三池監督が引き継ぎ、現場で僕なりがそのバトンをもらって芝居をして、映画として最後にたくさんのお客さんに向けて、そのバトンを渡す。引き継いだ全員の魂がそこに乗って、何かがみんなに届くような作品にしていかなくてはいけないなという事を改めて強く感じています」と決意を明かした。
名曲「風に立つライオン」は、ケニアの長崎大学熱帯医学研究所に赴任し、国際医療ボランティア活動に従事した実在の医師・柴田紘一郎氏から聞いた話からインスパイアされ、さだが作詞・作曲。撮影現場を訪問するため、初めてケニア入りしたさだは、「ひとつの楽曲がこんな風に時間をかけて、多くの人を動かしていく例は希有でしょう。喩えれば、柴田先生からもらった種を僕が蒔いたら、花が咲いた。草花だと思っていたら実は大樹で、その木にたくさんの人の思いが咲いて、大沢たかおさんが『この木は実がなりますよ』って言ってくれたんです。この実を三池監督がどういう料理にしてくれるんだろう」と感無量の面持ちだ。
映画では、大学病院からケニアの研究施設に派遣された島田航一郎が、現地の過酷すぎる環境を目の当たりにし、戦傷病院への転籍を決意し、同じ志を持って病院を支える看護師や仲間と奮闘する姿を描く。医師としての使命と向き合い、充実した日々を送っていた航一郎はある日、銃傷よりも心の傷が甚大な少年兵ンドゥングと出会い、運命を変えていく。
なお、今作には大沢のほか石原さとみ、真木よう子、鈴木亮平、萩原聖人、石橋蓮司、藤谷文子、山崎一らが出演している。
「風に立つライオン」は、2015年3月14日から全国で公開。
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