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中井貴一「柘榴坂の仇討」で正統派時代劇継承の使命負う 全米準Vの錦織にもエール

2014年9月9日 20:50

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(左から)若松節朗監督、真飛聖、阿部寛、中井貴一、 広末涼子、浅田次郎氏
(左から)若松節朗監督、真飛聖、阿部寛、中井貴一、 広末涼子、浅田次郎氏

[映画.com ニュース] 俳優・中井貴一が主演の時代劇「柘榴坂の仇討」の完成披露試写会が9月9日、都内で行われた。中井は共演の阿部寛広末涼子、真飛聖、若松節朗監督ともに舞台挨拶。「ここ数年、時代劇が良くないといわれているが、時代劇は日本の文化でもあるので、僕たちはその火を灯し続けなければならない」と力説した。

中井の役どころは、桜田門外の変で主君・井伊直弼を暗殺した刺客を13年追い続ける武士。「真正面から、すべての飛び道具を排除して日本人の心をとらえたつもり。多くの方に見ていただければ、作り続けることにつながる。邦画が良くなることを心から願っています」と訴えた。

8月中旬からはロケ地の滋賀・彦根を皮切りに全国9都市でのキャンペーンを展開中。「地方ごとにいい反応をいただけて、ちょっと怖いくらい。でも、公開して『えっ』とならないよう、勝ってカブトの緒を締めていきたい」と手応えを感じつつも、さらに気持ちを引き締めていた。

そんな中井の真摯な姿勢に、妻役を演じた広末はあでやかな着物姿で登場し、「中井さんはオンとオフが見えないくらい、常に姿勢を正していらっしゃったので、側にいると私も自然に役になれました」と笑顔。ただ、敵役となる阿部は、「貴一さんは自分を律していらっしゃるので、なるべく近寄らないようにという覚悟を持って撮影に臨んだ。でも、撮影の初日にトイレでばったり会ってしまった」と冗談めかして笑わせた。

舞台挨拶には原作者の浅田次郎氏も駆け付け、「随分前に書いた短くささやかな小説を、素晴らしい映画に仕立ててくれた。作家みょう利に尽きる」と絶賛。「ラブ・レター(1998)」「壬生義士伝」に続く浅田原作への主演となった中井は、「時代に生きた偉人ではなく、野に咲いた一輪の花にスポットを当てられているところに共感できる」と話していた。

また、テニス経験のある中井は、全米オープンで準優勝した錦織圭を「いくらチームがあっても、コートに立った時は孤独。彼こそ侍」と絶賛。そして、「彼らのレベルは超人級で、神さまから与えられた人間のみが立てる世界。でも、まだ夢の扉を開いたところ。これからは負けてニュースになる選手になってほしい」と熱いエールを送った。

柘榴坂の仇討」は、桜田門外の変で主君を守れなかった近習役の武士が、13年をかけて唯一生き残っていた刺客を見つけ出し、自身の人生にけじめをつけようとする物語。9月20日から全国で公開される。

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