ミュージカルだけじゃない! 知られざる生涯と業績を紹介「ジャック・ドゥミ」展
2014年8月27日 19:50

[映画.com ニュース] 東京・京橋の国立近代美術館フィルムセンターで8月28日から開催される展覧会「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」に先立ち27日、同館で報道関係向けの説明会が行われた。
同展は、昨年フランス・パリのシネマテーク・フランセーズで行われた展覧会のアジア初の巡回展。カトリーヌ・ドヌーブを世界的なスターにした「シェルブールの雨傘」をはじめとした作品スチル写真や撮影スナップ、美術デッサン、製作資料のほか、ドゥミによるアート作品を紹介する。
ドゥミが日本との合作映画「ベルサイユのばら」を手がけたことや、妻のアニエス・バルダら遺族の声もあり、ドゥミにとって特別な国である日本での巡回展のオファーがパリの本展開催前に同館へあったという。日本オリジナルの企画として音楽ライターの濱田高志氏のコレクション、濱田氏による作曲家ミシェル・ルグランの音楽展示、「ベルサイユのばら」関連資料も展示される。
同館主任研究員の岡田秀則氏は「音楽、ミュージカル映画のイメージが強いが、『シェルブールの雨傘』ではアルジェリア戦争という苦い背景があり、『ロバと王女』ではファンタジーの世界を開拓、『パーキング』では初期SFを彷ふつさせ、ドゥミの表現世界は思った以上に広い」とドゥミ作品の多岐にわたるテーマを解説。また、「恋愛を描いた作品が多いが、結婚が幸せの象徴であると同時に悲劇となり、メランコリックなものとして描いている」と作品に共通する特徴を語った。
「ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑」は東京・京橋の国立近代美術館フィルムセンターで8月28日から12月14日まで。会期中に「ベルサイユのばら」上映やトークイベントを開催する。また、関連企画としてアンスティチュフランセ東京で、「ジャック・ドゥミ、映画の夢」と題した特集上映が9月13日から行われる。
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