「渇き。」で衝撃デビューの小松菜奈が女優開眼!役所広司から“劇薬”エール
2014年6月28日 17:10
[映画.com ニュース]中島哲也監督が4年ぶりに放つ最新作「渇き。」の公開記念舞台挨拶が6月28日、東京・TOHOシネマズ日本橋で行われ、中島監督をはじめ、主演の役所広司、共演する小松菜奈、橋本愛、中谷美紀が登壇した。
本作で衝撃の映画デビューを飾った小松は「今回の撮影を通して、これからもいろんな役を演じてみたいなと思った。まだ下手くそですが、頑張っていきたい」と女優開眼を宣言。父親役の役所からは「イヤになるときもあると思うけど、そんときは辞めちまえばいい」と映画さながらの“劇薬”エールが飛んだ。
原作は第3回このミステリーがすごい!大賞を受賞した深町秋生氏のデビュー作「果てしなき渇き」。父親で元刑事の藤島昭和(役所)が、突如失踪した容姿端麗で優等生の娘・加奈子(小松)の足取りを追うが、自分だけが知らない娘の“素顔”に動揺し、やがて内に秘めた狂気をエスカレートさせていく。
主演の役所は「こんなダメ男を演じるのは初めてだが、迷いはなかった。今どきこんな日本映画はないし、バイオレンスの向こうにあるドラマを感じてもらえれば」と確かな手応え。一方、中島監督は「藤島という男の怖さと滑稽さを同時に演じられるのは、役所さんしかいなかった。好感度が下がって、CMが減りそうな役でしたが……」と笑いを交え、キャスティングに自信を示した。
「嫌われ松子の一生」(2006)以来の再タッグを組んだ中島監督と中谷は、「僕は中谷さん以外の女優さんには愛されているんですよ。中谷さんとは気が合わなかった(笑)」(中島監督)、「当時は『ぶっ殺す』とか散々言われたが、実はシャイでいい人。私も未熟で歯向かったりしたが、今思えば温かいご指導だった」(中谷)と丁々発止のやり取りで会場を盛り上げた。
また、「告白」(10)に続き中島組に参加した橋本は「私も『死ね』とか『殺す』とか言われたが、役者さんへの愛情は強い」と中島監督の人柄に言及。劇中には、橋本が役所を蹴り上げるシーンがあり「彼女、うまいんですよ。ちょうどプロテクターが外れた部分を蹴ってくる(笑)」(役所)、「それを聞くまで全然気づかなくて……。私も役所さんに腕をつかまれ、アザができたので“おあいこ”です」(橋本)と激しくも笑える現場の様子を明かしていた。
当初の予定を1週間繰り上げ、6月27日から全国301スクリーンで封切られた。7月4日まで高校生と大学生は1000円で本作を鑑賞できる「学生1000円早割キャンペーン」を実施中。R15+指定作品のため、中学生以下は鑑賞できない。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。