山田孝之×綾野剛「闇金ウシジマくん Part2」で意識を強めた“起爆剤”としての熱量
2014年5月17日 11:20
[映画.com ニュース]「空気がふわっと混ざるような感じ」。山田孝之は綾野剛と初めて顔を合わせた時の印象をそんな言葉で言い表した。「盟友」「同志」――2人が肩を並べる姿に、そんな“男の熱い絆”を思い浮かべていたが、山田の言葉で思いを改める。この2人、俳優としての互いを深く愛する恋人たち、いや長年連れ添った夫婦のようでさえある。(取材・文・写真/黒豆直樹)
「クローズ ZERO II」以降、幾度となく作品を共にし、プライベートでも付き合いの深い2人だが、「闇金ウシジマくん Part2」で再び顔を合わせた。さらに現在、撮影が進む園子温監督の「新宿スワン」では、本作とは逆に綾野が主演を務める形で共演を果たしている。出会い、共鳴、世代……いくつかのキーワードから邦画界に欠かすことのできない2人の若きカリスマの肖像が浮かび上がってくる。
「闇金ウシジマくん」は、法外な金利で持たざる者に金を貸し付ける違法な“闇金”の姿を軸に社会を切り取ったまさに現代のピカレスクロマン。深夜ドラマ、劇場版、連ドラ「Season2」、そして本作と4年にわたり、山田が主演として強い思い入れを持って丹念に育ててきた。その作品に綾野を迎えることを山田は誰よりも喜んだ。「純粋に嬉しかったですね。この『ウシジマくん』で剛を迎え、今度は『新宿スワン』という剛の主演作に自分が参加する。新宿周辺を描いた作品で立て続けに共演するというところでも面白いつながりを感じています(笑)」
共演した作品のみならず、互いの出演作は何も言わずとも常にチェックしている。だからこそ、綾野にとっても本作への出演には特別な感慨が伴った。「シーズン1の時に孝之から『もうすぐ撮影が始まる』という話を聞いて、『いつか一緒に出来たらいいな』と思っていたんです。作品も孝之が演じるウシジマも大好きだったし、僕にとって断る理由がなかった。このタイミングで参加できてよかったです」。
綾野が演じるのは、“情報屋”でウシジマの幼なじみである戌亥(いぬい)。決して馴れ合いではなく、普段からの距離感が、ウシジマと戌亥の関係性を出す上でも確実にプラスに働いたと山田は断言する。「ドラマでの最初の共演シーンが駄菓子屋の前のベンチで会話するシーン。並んで座ったまま、互いに顔を見ずに正面を向いたまま喋るんですけど、そこで『初めまして』の関係の方と一緒にやるとなると、昔からのなじみの空気感を出すためにいろんなコミュニケーションが必要になるけど、剛とはそれが一切要らなかった。顔を見ずに正面を向いたままでも、綾野剛という俳優が作る戌亥が言葉を発する時にどんな表情をしてるのかが想像がつきましたから」。
役として、作品の中で対峙する中で、変わっていくこと、変わらないものがある。「クローズZERO II」に始まり、「GANTZ」シリーズ、「その夜の侍」、本作と様々な役柄を通じて作品の中で、常に独特の関係性を築き上げてきた。綾野は言う。
「これまでの作品でも互いに向き合ってはいるけど、僕が一方的にやられるか、相手にもされていない関係なんです。今回の『ウシジマくん』は幼なじみでパートナーのような間柄で、向き合うのではなく、孝之が言ったように互いに顔を合わさずに並んでる。『ウシジマくん』を経て、その次の『新宿スワン』でようやく、本当の意味で孝之と向き合えたのかもしれないですね。そうやって対峙すると、引き出されるし、引き出したくなるし、追い詰められるし、追い詰めたくなる。基準があるわけでもなく僕の主観ですが、やっぱり共鳴する人とはするし、響かない人は響かない。そこで響き合えば、確実に芝居は変わってくる。改めて彼を知り、またひとつ山を越えられたのかなと思います」。
「闇金ウシジマくん Part2」は公開中。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
時代は変わった。映画は“タテ”で観る時代。 NEW
年に数100本映画を鑑賞する人が、半信半疑で“縦”で映画を観てみた結果…【意外な傑作、続々】
提供:TikTok Japan
年末年始は“地球滅亡” NEW
【完全無料で大満足の映画体験】ここは、映画を愛する者たちの“安住の地”――
提供:BS12
【推しの子】 The Final Act NEW
【忖度なし本音レビュー】原作ガチファン&原作未見が観たら…想像以上の“観るべき良作”だった――!
提供:東映
物語が超・面白い!
大物マフィアが地方都市でやりたい放題…オススメ“大絶品&新傑作”【トラブルの解決策は、金と暴力】
提供:Paramount+
外道の歌
【地上波では絶対NGの“猛毒作”】強姦、児童虐待殺人、一家洗脳殺人…安心・安全に飽きたらここに来い
提供:DMM TV
全「ロード・オブ・ザ・リング」ファン必見の伝説的一作
【超重要作】あれもこれも出てくる! 大歓喜、大興奮、大満足、感動すら覚える極上体験!
提供:ワーナー・ブラザース映画
ライオン・キング ムファサ
【全世界史上最高ヒット“エンタメの王”】この“超実写”は何がすごい? 魂揺さぶる究極映画体験!
提供:ディズニー
映画を500円で観る“裏ワザ”
【知らないと損】「2000円は高い」というあなたに…“エグい安くなる神割り引き”、教えます
提供:KDDI
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。