鬼才A・ホドロフスキーが23年ぶりの新作と共に来日 健康の秘けつは若妻!?
2014年4月24日 22:20

[映画.com ニュース] 「ホーリー・マウンテン」「エル・トポ」などのカルト作で知られる、鬼才アレハンドロ・ホドロフスキー監督が23年ぶりの新作「リアリティのダンス」のPRのため来日し、4月24日都内で会見した。監督の来日は25年ぶりとなる。
50年前の初来日から、チリで過ごした幼少期に日本人経営の理髪店に通った思い出話などを披露し「日本を知ることで文化的な感動がありました。そこから私の芸術が変わっていきました。皆さんも『リアリティのダンス』のなかで、日本文化の影響を見ていただけると思います」と日本とのつながりを強調する。過去作「ホーリー・マウンテン」では茶道、「サンタ・サングレ 聖なる血」は日本のポルノ雑誌からインスピレーションを受けたシーンがあると明かした。
前作発表から23年が経ったことについて「私は自分に印をつけませんし、人は人と区別しなくてよいのです。一人の人間は物ではないからです」と話す。スマートフォンを例にあげ、「昔は電話は電話でしたが、今は四角になり、音楽を聞く道具にもなり、地図にもなり、誰かとの出会いもある。そしてバイブレーションもありマッサージもでき、たくさんのことができます。ですから私も音楽、詩、絵画、演劇、小説、サイコマジックの発明、漫画などたくさんのことをしてよいのではないでしょうか。23年間創造することをやめてはいません、時間は過ぎてはいないのです」と映画にとどまらない幅広い活動を説明。さらに、「私はマクドナルドのように映画を作っているのではありません。私が映画を作る時は何かを言う時です。1本の映画を作り終わったとき、一つの人生が終わります。言うべきことすべてを映画に込めるからです」と映画製作に対する姿勢を明らかにした。
ホドロフスキー監督の作品はジョン・レノンをはじめ多くのアーティストに影響を与えていることで知られるが「私の作品は商業映画に対抗するアートです。アイアンマンもスーパーマンも3Dも好きではありません。私に襲いかかってくるからです。誰からも暴行を受けたくありませんし、誰にも暴行したくありません。私はお金を儲けるために映画を作っているのではないのです、芸術だからです」とアンチハリウッドの立場を表明する。そして、「プロデューサーは怖がりなのでアートが嫌いなのです。ビジネスと産業だけが存在しています。中身のないものはたばこと同じように人を殺します。人々はなにか問題がある時に映画館に入って、一時的にその問題を忘れてまた同じように出てくる。私の作る映画は、これまで見たことのない何かを自分の中に発見して、そして希望か何かとともに出てくる、そういう映画を作っています」と力説した。
自身のパーソナルな経験を反映した今作の主題について「これまでは物語を語ってきましたが、人生以上に語るものはないと思って、今回自分の人生を語ることにしました。皆さんも持つ、子ども時代の痛みや喜びを語ろうと思ったのです」と説明。すでに次回作の企画もあり、底辺に生きる登場人物の姿を通し、破壊されつつある地球で生き残りたいと願う人間の本能を描く劇映画だという。
85歳を迎えた今なお精力的に活動を続けられる秘けつを問われると、「皆さんに同じことをしてほしいとは思いませんが、たばこを吸わない、基本的にアルコールを飲まない、コーヒーを飲まない、赤身の肉を食べない。そして若い妻がいて、彼女に触れる度に若返ります。常に考え続け、毎日小さな詩を作り続けています。駄目だと思ったときに詩を書くのです」と健康的な生活と創造にあると語り、今作で衣装を担当した愛妻のパスカルさんを披露した。
新作「リアリティのダンス」はチリの田舎町を舞台に、コミュニストの父親との軋れきと和解、ホドロフスキーを自身の父親の生まれ変わりだと信じる元オペラ歌手の母親との関係、そしてホドロフスキー少年が見た世界を、シュールレアリスティックなタッチで描きだす。
ホドロフスキー監督の未完の大作に迫るドキュメンタリー「ホドロフスキーのDUNE」公開日は6月14日、「リアリティのダンス」は7月12日新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか、全国で順次公開。
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