松山ケンイチ、震災後の福島を描いた「家路」は「前向きな映画」
2014年2月20日 20:15

[映画.com ニュース] 東日本大震災後の福島に暮らす家族を描いた「家路」の完成披露試写会が2月20日、都内の劇場で行われ、主演の松山ケンイチ、共演の内野聖陽、久保田直監督が舞台挨拶に立った。
震災後、警戒区域となった土地に住み着いてひとり苗を育てる弟・次郎(松山)と、故郷を離れることを余儀なくされた兄の総一(内野)。それぞれの葛とうを胸に秘めた兄弟を通じ、絶望的な状況から希望に向かって歩み出していく家族の姿を描く。「いつか読書する日」「スープ・オペラ」の青木研次が、オリジナル脚本を書き上げた。
青森出身の松山は、「福島独特の方言も勉強したし、農業をやっている家系なので僕自身も農業指導の方と一緒に農業をやらせていただいた。なかなかできない経験」と述懐。パネルに書かれた“金メダル”の文字に困惑しながらも、「僕も日本代表選手のみなさんに勇気をもらっているし、この映画も見てくれる方を前向きにさせることができるような作品」と力強く語った。
内野は、先祖代々守り継いできた土地を突然奪われるという悲劇に見舞われた男を演じ、「福島の悲しみの前に自分はどうしたらこの役を演じられるのか、悩んだ。オール福島ロケなのでその土地からいただいたもの、土地の方々とお話させていただいたものを受けて、何とかこの男を演じ切ったような気持ち」と福島への感謝を述べた。
本作は、先日閉幕した第64回ベルリン国際映画祭に出品され、観客の温かい拍手に迎えられた。ベルリンでも舞台挨拶に立った内野が、「原発への関心度も高いのでみんな集中して見ていた」と報告すると、映画祭に参加できなかった松山は「現地の方々の雰囲気を感じたかったし、どんな質問が出てくるのかも楽しみにしていた。2人が充実した日々を送っていたみたいで僕もうれしい」とうらやましげだった。
これまでドキュメンタリー作品を手がけてきた久保田監督にとって、本作は初の長編劇映画となり「ケンイチはとてもしっかりしていて、年下だけど下手すると先輩と話している感じ。絶対ブレないし、決めたらそこから外れない。マサ(内野)は逆で、絶えず悩み、深く考え揺れながら答えを導き出していく。劇中の人物もまさにそういう人間なので、2人とも本当にそこに生きているという感じだった」と真逆のタイプの役者を巧みに演出。そして、「この映画はあえて何も答えを出していない。普遍的な家族の物語。少しでもご自身に重ね合わせて見てもらえたら」と客席に語りかけた。
「家路」は3月1日から全国で公開。
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