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シュワルツェネッガー、スタローンとの最強タッグ「大脱出」で歩み始めた“演技派”の道

2014年1月10日 13:09

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スタローンとの友情が、初の本格共演作を生んだ
スタローンとの友情が、初の本格共演作を生んだ

[映画.com ニュース] 2011年、8年に及んだカリフォルニア州知事の任期を終え、ハリウッドスターとして銀幕に戻ってきたアーノルド・シュワルツェネッガー。俳優復帰後初の主演作「ラスト・スタンド」とあわせて今年2度目の来日となったが、「日本はかれこれ40年ほど訪れているけれど、いつも素晴らしい時間を過ごしているよ。楽しめなかった滞在はこれまでに1度もないね。毎回『また来たい!』と思うんだ」と変わらぬ親日家ぶり。「コナン・ザ・グレート」「ターミネーター」「コマンドー」「トータル・リコール」など代表作は枚挙にいとまがないが、大親友であるシルベスター・スタローンと最強タッグを組んだ「大脱出」もまた、彼の映画史に深く刻まれる作品となった。

“脱獄のプロ”で世界屈指のセキュリティ・コンサルタントのブレスリン(スタローン)が、何者かの陰謀によって洋上のタンカーに建造された巨大刑務所に収容されてしまう。ブレスリンはそこで出会ったカリスマ受刑者ロットマイヤー(シュワルツェネッガー)らと協力し、最新のセキュリティシステムで固められた監獄からの大脱出を図る。

シュワルツェネッガーは、「エクスペンダブルズ」シリーズでスタローンと共演しているものの、意外にも全編にわたる本格共演は今作が初めて。「スタローンはとても情熱的な男。芝居が好きで、脚本を書くのも好きで、プロデュースもするし、絵を描くのもとてもうまい。彼とは共通点がいっぱいあるんだ。2人ともショッピングや車が好きだし、武器が好きだし、家族が好きだし、葉巻が好きだし、世界中を旅行することも大好きさ」と息はぴったり。また、「いつの世も脚本はめぐりめぐるもの。最初に想定されていたブルース・ウィルスは時期的に都合が悪く、スタローンは都合が付くけれど『アーノルドとの共演ならば』と条件を出してくれたんだ」と、2人の深い親交から、ファンが長年待ち望んでいたカードが実現した経緯を明かした。

シュワルツェネッガー自身、スタローンとの共同作業を存分に楽しんだといい「観客はこの何十年、私とスタローンが戦ったら一体どちらが勝つのか知りたかったんだ(笑)。スタローンのボクシングスキルか、シュワルツェネッガーの屈強さか、とね。脚本にはアクションがほんの少ししか書き込まれていなかったので、スタローンと一緒に現場で格闘シーンを広げていったんだ。ユーモアを入れて面白おかしくしたかったから、互いにアイデアをもち合って色々なことを試したよ。観客はだませないからね」とファンへの気配りも忘れない。

筋骨隆々なアクションで全世界を魅了してきたシュワルツェネッガーだが、近年では“芝居”へのこだわりも強い。本作でも66歳とは思えない屈強な肉体を披露しているが、「8~9年間の知事生活を経て思ったけれど、年を重ねるごとに体力が失われていくのは避けられない事実。だからこそ、これまでよりも深みのある役柄を演じなければならないという必然性もあるんだ。昔はシンプルなアクションヒーローだったから、興行収入さえ良ければそれで監督も満足だった。今の監督は私に違うもの、ベストな芝居を要求している。新作『Maggie(原題)』という映画では、ゾンビから家族を守る農夫役を演じたけれど、アクションはゼロで、あるのは芝居だけ。昔に比べて、挑戦しがいのある役を選ぶようになったね」と心境の変化を語った。

先日行われたジャパンプレミアでも生涯現役を宣言したばかりだが、「私はビジョンさえ見えれば、そこに突き進むことができる人間なんだ。ボディビルダーのチャンピオンになる姿、映画スターの姿、カリフォルニア州知事の姿。それらがクリアに見えたから、そこへまっしぐらと突き進むことができた。つまり、ビジョンが見えなければその夢はかなえられない。テレビの演出は何度かやってみて監督もいいかなと思ったけれど、脚本家だけは絶対にないね。僕が脚本を書いたとしても、すぐにゴミ箱行きさ(笑)」と茶目っ気たっぷりに笑った。

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