バンパイアを演じたティルダ・スウィントンが語るJ・ジャームッシュとの仕事
2013年12月19日 14:53

[映画.com ニュース]スレンダーな長身に、透き通るような肌とブロンドの短髪がなおさら中性的な雰囲気をたたえたティルダ・スウィントン。「ブロークン・フラワーズ」で初タッグを組んだジム・ジャームッシュの新作「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」で現代に生きるスタイリッシュなバンパイアを演じた彼女に話を聞いた。(佐藤久理子)
「わたしの場合、往々にして長い年月のなかで同じ人と仕事をし続けることが多い。そういうやり方が好きなの。でも予算が集まらないことが少なくない(笑)。今回もそうだったわ。でも長い時間を掛けることの利点は、実際撮影になったとき、そのキャラクターは自分の血肉となっているということ。だからとてもナチュラルに演じられる。ジムの映画特有のゆったりしたリズムにも自然に馴染んでいた。あなたが“とてもジャームッシュらしい映画”というのは素晴らしい褒め言葉だし、わたしも彼の映画の一ファンとしてまさにその通りだと思う。彼はこの映画でいっさい妥協をしていない。7年掛かろうが、17年掛かろうが、彼はこの映画を自分の好きなように完成させたでしょう。彼のようなフィルムメーカーと一緒に仕事をする場合、ある種の忍耐が必要になる。でも彼はそれに値する監督だし、それによって彼特有のフィーリング、映像、音楽などが一体となった作品が出来上がるの」
「それはとても興味深い意見だわ。優れたアートワークはみんな多かれ少なかれ社会のメタファーだと思うけれど、偉大なアーティストとその作品はつねに“不死身”という意味で比較できると思う。本作においてアダムはまさにジム自身よ。一般的には、今日の社会においてアーティストが妥協を余儀なくされるのは、残念ながら珍しいことではないと思う」
「今すぐには思いつかないけれど……。じつは『トワイライト』シリーズも『トゥルー・ブラッド』シリーズも見たことがないの。わたしはなまけ者なのよ(笑)。奇遇にもわたしはつねに、この映画のようなアーティストのバンパイアを見たいと思っていた。わたしたちがこれまで知るバンパイアというのはだいたい、やりたいこともないようなキャラクターだったでしょう(笑)? 多くの時間、退屈にしているような。それにイヴをわたしが好きな理由は、彼女はとても陽気で情熱的なバンパイアだということ。それが彼女をつねにリフレッシュさせている。もちろんアダムに対する愛もその理由のひとつだわ。この映画は、世界から疎外されたアーティストにとっていかに他の魂と結びつくことが大切かを描いていると思う。アダムの魂はイヴが現れると救われる。それが、彼らの愛が永遠に続く理由だと思う」
「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」は12月20日公開。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

186億円の自腹で製作した狂気の一作
【100年後まで語り継がれるはず】この映画体験、生涯に一度あるかないか…
提供:ハーク、松竹

なんだこの映画は!?
【異常な超高評価】観たくて観たくて仕方なかった“悪魔的超ヒット作”ついに日本上陸!
提供:ワーナー・ブラザース映画

すさまじい映画だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

“生涯ベスト”の絶賛!
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

究極・至高の“昭和の角川映画”傑作選!
「野獣死すべし」「探偵物語」「人間の証明」…傑作を一挙大放出!(提供:BS10 スターチャンネル)