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スペインで大絶賛の「ブランカニエベス」日本との縁が深いP・ベルヘル監督に聞く

2013年12月6日 12:20

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「ブランカニエベス」パブロ・ベルヘル監督と マリベル・ベルドゥ
「ブランカニエベス」パブロ・ベルヘル監督と マリベル・ベルドゥ
(C)Yuko Harami

[映画.com ニュース] 今年日本×スペイン交流400周年を迎え、スペインのアカデミー賞と称される2013年の第27回ゴヤ賞で、作品賞ほか10部門を制したモノクロ&サイレント映画「ブランカニエベス」が、12月7日に日本公開される。メガホンをとったパブロ・ベルヘルは、日本人の妻を持ち、ロックバンド「SOPHIA」のミュージックビデオを手がけた経歴もある、日本とのゆかりが深い監督だ。

グリム童話「白雪姫」にスペインの国技である闘牛を織り交ぜた異色のダークファンタジー。意地悪な継母に虐げられて育った闘牛士の娘カルメンは、継母の策略で命を奪われそうになるが、「こびと闘牛士団」に助けられ、「白雪姫(ブランカニエベス)」という名で見世物巡業の旅に出、やがて女闘牛士として頭角を現していく。

本作はモノクロサイレント、そしてフィルムで撮影されており、その美しい映像表現は、古典映画の懐かしさを感じさせながら、新たな映画の魅力を観客に提示する。「映画はタイムマシンのようなものだと思っています。観客をまったく違った時空へとタイムスリップさせてくれる魔法なのです。この作品は日本の観客を1920年代のスペインへと連れて行きます。映画の始まりでもある時期に観客をタイムスリップさせるには、白黒で表現するのが適切だと思いました。観客に想像させてくれる、夢を見させてくれる、そのような魔法が白黒映像にはあると思うのです」映像作りでこだわりを語る。

画像2(C)2011 Arcadia Motion Pictures SL, Nix Films AIE, Sisifo Films AIE, The Kraken Films AIE, Noodles Production, Arte France Cinema

20年以上も共に創作活動に取り組んでいるという写真家の妻の意見をとても尊重しているそうで、「まず脚本は自分自身で書きますが、最初に脚本に目を通すのが、妻です。映画に対する評価の基準が非常に似ているので、彼女の意見をとても尊敬しています。前作は6年ほど、今回の作品は8年もかかっていますが、その決断の大きな要因となるのが妻の意見です」と語る。

90年代後半に、手がけた「SOPHIA」のミュージックビデオ「黒いブーツ ~oh my friend~」については「SOPHIAが僕の撮った短編を見て気に入ってくれて、プロデューサーが連絡してきたのです。東京まで行って1カ月ほど日本に滞在して作り上げました。楽しい経験でしたね。松岡充さんとの仕事もとても楽しかったです。とてもカリスマ性のある人物でした。それ以来、ずっと友人でもあります」と振り返る。

このように日本と深い関係を持つベルヘル監督だが、自身の映画に影響を与えたり、好きな日本の映画監督がいるのかと問うと「今村昌平黒澤明小津安二郎などはとてもよく見ています。また最近の方では、是枝裕和監督も素晴らしいと思います。彼の作品はスペインでも公開されていますから、とてもポピュラーな日本人監督です。それに日本のアニメ、とりわけ宮崎駿監督の作品は全部見ました。彼はストーリーテラーとしても本当に素晴らしく、感銘を受けています。『ブランカニエベス』の主人公カルメンも、小さな頃は『千と千尋の神隠し』の千尋、成長してからは『もののけ姫』のサンのようなイメージがあるかもしれません」と幅広いジャンルを挙げてくれた。

ブランカニエベス」は、12月7日から新宿武蔵野館ほか全国で公開。

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