ニコラス・W・レフン監督、新作は「アシッド映画」 R・ゴズリングの近況も明かす
2013年11月20日 12:20

[映画.com ニュース] カンヌ映画祭監督賞受賞作「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督とライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだ、新作「オンリー・ゴッド」の日本公開にあたり、レフン監督が来日。高橋ヨシキ氏、柳下毅一郎氏とともに11月19日、都内の劇場で行われたティーチインに参加した。
映画はバンコクでボクシングクラブを経営するジュリアンの兄がある日惨殺され、母親の命令で復しゅうに乗り出すが、元警官で神を自称する謎の男チャンが立ちはだかる。血で血を洗う激しい抗争と主人公と母親の歪んだ親子関係を洗練された映像美で描いた。
レフン監督は本作について「まだ見ていない人には説明するのが難しいので、メタファーを用いますが、『ドライヴ』は質のいいコカインを吸っているような映画、今回はアシッド映画です」と独特の表現で紹介。「僕が定義するいい映画は、幾分か涙と笑いがあって、たくさん暴力があってセックスがあって、変なことが起き、そして良いエンディングを迎えるもの。目の肥えた観客の想像力をかきたてなければ満足していただけないと思うし、作り手側にも新たな発見のある映画でなければいけない」と映画に対する持論を語る。
これまでの作品の特徴として、80年代の色調やアメリカ映画からの影響があるのではと問われると「コントラストのある色を使うのは、僕が色盲なので、補色を使わなければ見えないのです」と明言。今作で赤を主軸にしたのは「現実とは異質の世界をつくるため。主人公が天国と地獄の間をさまようように表現したかったため」と説明した。
キャスティングについて、「ドライヴ」に続いて主演に起用したゴズリングを「彼は自分の限界に挑戦するのが好きな俳優」だと評価し、「数週間前にLAで会ったときに、『早く新作を一緒に作らせてくれ、今度はしゃべらせてくれ』と言っていました(笑)」と近況を明かす。「ヴァルハラ・ライジング」のマッツ・ミケルセンとゴズリングの今後の共演の可能性は「できればいいと思うけど、マッツがやきもちやきだから、どうだろうね」と難しいようだ。
今作はアレハンドロ・ホドロフスキー監督に捧げられている。「非常に面白い方で、僕にとってのインスピレーション。映画を使ってどういうことができるか示してくれる方です。『エル・トポ』は元祖モダンポップシネマと言えます。私が映画を作る時は必ず彼を訪れてタロットで読んでもらいます」と奇才との交流について話し、ホドロフスキー原作、メビウスによる伝説的漫画「アンカル」の映画化を相談していることも明かした。
「オンリー・ゴッド」は2013年1月25日から全国公開。
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