脚本家・荒井晴彦、芥川賞「共喰い」映画化の裏話を語る
2013年11月2日 19:50

[映画.com ニュース] 青山真治監督が作家・田中慎弥の第146回芥川賞受賞作を映画化した「共喰い」の公開記念イベントが11月2日、東京・シネマート新宿で行われ、同作の脚本を手がけた荒井晴彦が、越谷オサムの人気小説を松本潤&上野樹里の初共演で映画化した「陽だまりの彼女」(三木孝浩監督)の脚本家・向井康介を招いてトークショーを行った。
ロングラン上映中の「共喰い」は、山口県下関市を舞台に、高校生の遠馬(菅田将暉)、暴力的な性癖を持つ父(光石研)、片腕を失った母親(田中裕子)、その愛人らが繰り広げるひと夏のできごとを、原作とは異なる映画オリジナルのエンディングで描いた。
同作を鑑賞した向井は、「面白くて悔しい。青山さんがあの土地でこのテーマを撮るということはしっくりきたけれど、荒井さんがこのテーマに興味をもったのは意外」と率直な感想を述べた。すると荒井は、「興味もってやったというのは誤解。田中さんの『もらっといてやる』発言でワイドショーとか賑わっていたし、早めに映画にすると客が来るんじゃないかって。原作を読む前に『青山どう?』って聞いて、その数カ月後に権利をとったって言うから、慌てて『文芸春秋』を買ってきて読んだ」という。そして「芥川賞には申し訳ないけど、これはロマンポルノだなって。つべこべ考えずに書いた」とあっけらかんと語っていた。
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