画業40周年の大友克洋監督、紫綬褒章を受章「そんな年になったかな(笑)」
2013年11月2日 05:00

[映画.com ニュース] 漫画家・アニメーション監督の大友克洋が、学術、芸術、スポーツ分野の功労者に授与される紫綬(しじゅ)褒章を受章し、都内で会見した。今年で漫画家デビュー40周年を迎えた大友監督は、「対象になっていると知らなかったのでビックリ。そんな年になったかな(笑)」と率直な感想を語った。
「AKIRA」「スチームボーイ」など数々の名作を発表し続け、日本アニメーション界をけん引してきた大友監督。受章理由は「漫画家、アニメーション映画監督として長年にわたり、圧倒的な画力(描写)と構図、物語の構築力、鋭い映像感覚をもとに、優れた作品を数多く発表し、国際的な注目を集めるなど、わが国芸術文化の発展に大きく貢献したこと」。これまでアニメーション長編映画分野では1999年に高畑勲監督が受章しているのみで、大友監督は高畑監督以来の受章となる。
大友監督は、画業40周年を迎えるも「まだ終わったわけじゃないので振り返ったことはない。自分の中では淡々とやっているつもりで、その時に自分が1番面白いと思うものを作るだけ」とストイック。今後の活動についても、「東京オリンピックも決まり、経済的にも少しずつ明るくなるのかなという漠然とした気持ちもあるけれど、浮かれてもしょうがないし、みんなに(恩恵が)行き渡るわけじゃない。自分としては新しい時代に向けて作品を作り続けたい」と堅実だった。
また、「完成した作品を見て、やろうとしたことが意外とできていなくてガッカリすることもある。シナリオから絵コンテまでやっていると、自分で自分の作品を客観的に見ることが難しくなる。こないだ『AKIRA』を見たけど、『へえ、頑張ってんな』と思った(笑)。自分は面白いと思ってやっているけど、だんだん客観性がなくなっちゃう」と意外な悩みも明かした。
今年7月に公開されたオムニバスアニメーション映画「SHORT PEACE」では若手監督との共作に挑み、短編「火要鎮(ひのようじん)」を手がけたが、「舞台が19世紀であれ江戸時代であれ、その時の自分の考え方や時代が反映されていると思う。オムニバスという形態も簡単にできるわけじゃないけれど、若い人がトライする状況も少なくなっているので、機会があれば若い面白い人たちと一緒にやりたい」と意欲的だった。
そして、昨今のジャパニメーション業界を冷静に見渡し「何となくピークは過ぎた感じ。若い人があまり出ていないという感じもするし、業界内も活気がない。ヒット作品はあるけど、作品的に充実したものがもっと出るべき」と言明。そして、「本屋に行けば絵の描き方やアニメーションの作り方は分かる。新しいものは教えようがないし、問題なのは本人がどんな風にやるかだけ。新しい人たちは、自分で頑張って努力して作らないといけない」と若手作家たちに辛口なエールをおくった。
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