ユアン・マクレガー、津波被災者の実話を映画化した「インポッシブル」を語る
2013年6月14日 20:30

[映画.com ニュース] ナオミ・ワッツ、ユアン・マクレガーの共演で、2004年に発生したスマトラ島沖地震で、離れ離れになった家族の実話を映画化した「インポッシブル」。「永遠のこどもたち」(07)のJ・A・バヨナ監督がメガホンをとった同作は、スペインで5週連続1位に輝き、歴代興行収入が「アバター(2009)」に次ぐ第2位というヒットを記録。母役のワッツは、第85回アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。父親に扮し、家族のきずなというテーマに挑んだマクレガーが、同作について語った。
バカンスでタイを訪れたベネット一家。家族で楽しい時間を過ごしていたが、12月26日に発生した巨大な津波によって、散り散りになってしまう。しかし、一家は互いの無事を信じ、再会に向け歩み始める。
オファーを受けた当初、マクレガーは「どうして今、津波の映画をつくるのかと不思議に思った。それにこの作品を撮ることが正しいことなのかどうか、わからなかった」と困惑したという。しかし、脚本を通して本質に触れることで、「僕がこれまで気づかなかった人間性について気付かされたんだ。この家族の経験を見つめることによって、津波やそういった恐ろしい悲劇について考えさせられる」と感じた。
撮影中は「実話を語っているという事実」を心に留め、「(津波で)たくさんの人が亡くなった。でも、生き残った人も大勢いる。もし僕たちがこの物語を正確に、誠実に語らなかったら、その人たち全員の気持ちを傷つけることになる」と真しな思いで臨んだ。即興演技などを取り入れながら、ワッツとともにリアリティある家族像をつくりあげると同時に、「生存者をヒーローのようにほのめかしてしまったら、生き残れなかった人々のことを傷つける可能性がある。僕たちは決してそんなことを望んではいなかった」という思いから、バヨナ監督らとともに話し合いを重ね、困難に立ち向かう父を演じきった。
「トレインスポッティング」をはじめ、「ムーラン・ルージュ」「スター・ウォーズ」シリーズなど多様な作品に出演してきたマクレガーは、「俳優として演じる作品すべてが、人生の一部を探求させ、想像させ、経験させてくれる」と持論を展開。本作では、センシティブな題材と向き合い「津波に遭遇して、この家族の人生は永遠に変わってしまった。彼らは生き残ったけれど、生き残ったことはとても辛い事実でもあるんだ。だからこそ、監督はこの映画の最後にタイトルを置いている。“インポッシブル”は、彼らが故郷の地に降り立ったときに始まるからだ。監督は、彼らの信じ難い人生がそこから始まることを伝えようとしているんだ」と込められた思いを明かした。
「インポッシブル」は、6月14日から全国で公開。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
人生に迷ったとき、この映画が“効く”だろう。すべての瞬間が魂に突き刺さる体験が待っている
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
なんだこの天才的な映画は!?
【物語がめちゃくちゃ面白そう――】非常識なまでの“興奮と感動”を堪能あれ
提供:ディズニー
てっぺんの向こうにあなたがいる
【世界が絶賛の日本映画、ついに公開】“胸に響く感動”に賞賛続々…きっとあなたの“大切な1本”になる
提供:キノフィルムズ