三池崇史監督、いざカンヌへ! 泰然自若の構え
2013年5月14日 10:00

[映画.com ニュース] 第66回カンヌ映画祭のコンペティション部門に選出された「藁の楯 わらのたて」の三池崇史監督が、渡仏を前に2年ぶりとなる世界最大の映画の祭典への思いを語った。
「少しはこの映画の役に立てたかなという感触はあるけれど、映画ですので劇場に集まってくれる人たちが楽しんでもらえるといいなと。それ以上特に望むものはないので、誰よりも気楽でいます」。三池監督は、世界中の数百本の中から選出された栄誉を冷静に受け止めている。
コンペにはジョエル&イーサン・コーエン、ロマン・ポランスキー、スティーブン・ソダーバーグらカンヌで受賞経験のある巨匠たちが並ぶが、「お客さんとして楽しめる感じがありますよね」と臆するところはない。「でき上がったものが、そういう人たちと同じ場所、環境で上映されることは、我々スタッフ、キャストにとってはすごく幸せなこと。それを目標や目的にしてしまうと選ばれなかったり賞をもらえなければガッカリっていう、映画祭そのものを楽しめなくなってしまう。お祭りなので、そういう意味ではすごくいい立場です」と泰然自若の構えだ。
カンヌに初めて参加したのは2003年、「極道恐怖大劇場 牛頭」が監督週間に選出された時だった。日本のVシネマとして初の上映となったが、「涙が出ちゃうくらい観客が喜んでくれたんです。全く想像もしていなかった場所で想像もしていなかった人たちと一緒に楽しめるなんて、映画って捨てたもんじゃないなと。しかもVシネマですからね。生まれはどうでもいいんですよ。映画として面白いか、楽しんでくれる観客がいるかどうかだけを評価されるので、自分の中であの出来事はすごく大きかったですね」と感慨深げに振り返る。
今年の審査委員長はスティーブン・スピルバーグで、自身が初めて見た洋画が「激突!」(1971)だったことにも奇妙な縁を感じる。「個人的には、もう奇跡ですよね。それまでは東映まんがまつりや『ガメラ』『ゴジラ』を見ていましたから。たまたま父親が見に行こうと言い出して、2人で見たんですよ。『激突!』って劇場公開は日本だけだから、スピルバーグにとっても自分は貴重なお客さんですよ」とうれしそうに語った。
2011年には「一命」でコンペを初体験し、しかもカンヌでは初の3D上映となった。「藁の楯」もエンタテインメント性に富んだサスペンス・アクションだけに「ここまで(カンヌ)らしくないのは、(コンペでは)初めてじゃないですかね」と冗談めかす。それでも、「カンヌは、観客が先に着席して迎えてくれるのがいいですよ。意外だと思うかもしれないけれど、ジャンルや外見の作り手の差別化というより、映画のテーマはそんなにあるわけじゃなく、皆同じことを表現しているんだなということは伝わる気はします」とひそかな自信も見せる。
昨年は「愛と誠」のミッドナイト・スクリーニングが行われたが、スケジュールの都合で参加できなかったため、今回は2年分の思いを込めて現地入りする。そして、「勝負事ではないけれど、大沢たかおさんが賞をもらえるといいですね。比較的感情を抑えて、一瞬だけワーッという役なので、そういうところが評価されるとうれしいなとは思います」と共に参加する主演俳優に気遣いを見せていた。
フォトギャラリー
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“究極の推し活”を知ってますか?
大好きな俳優が出てる映画を「製作費提供」で応援できる!! これ革命的すぎますよ…!!
提供:フィリップ証券

ジュラシック・ワールド 復活の大地
【超絶パワーアップ】マジ最高だった!! 究極のスリル、圧倒的な感動、限界突破の興奮!!!
提供:東宝東和

日本よ、これが本物の“悪”だ
【拷問、殺人、裏切り、粛清】超刺激的な“史上最大ヒット作”、観たらすごかった…!
提供:JCOM株式会社

何だこのむちゃくちゃ“刺さる”映画は!?
【尋常でなく期待してる】“命より大事な誰か”のためなら、自分の限界を超えられる。
提供:ディズニー

個人的に“過去最高”!!
【たった“1秒”が爆発的に話題になった映画】実際に観たら…全てが完璧、全編がクライマックス
提供:ワーナー・ブラザース映画

名作映画に新風、吹き込む!
【大人気企画】過去の名作を新たな日本語吹き替えで…一挙に放送!(提供:BS10 スターチャンネル)