大友克洋監督の短編「火要鎮」、文化庁メディア芸術祭アニメ部門大賞に
2012年12月18日 20:30

[映画.com ニュース] アート、エンタテインメント、アニメーション、マンガの4部門で優れた作品を選出する第16回文化庁メディア芸術祭の受賞作品が12月13日に発表され、アニメーション部門の大賞に大友克洋監督が手がけた短編「火要鎮(ひのようじん)」が選ばれた。
文化庁メディア芸術祭は、アートやエンタテインメントの創造と発展を図ることを目的に、1997年の第1回から毎年開催。各部門の優れた作品を顕彰し、受賞作品の鑑賞機会を提供するメディア芸術の総合フェスティバルとして広く知られる。本年度は過去最多となる海外71の国と地域からの1502作品を含む、合計3503作品の応募があった。
アニメーション部門では、大友監督がアニメーションの監督作としては「スチームボーイ」(2003)以来9年ぶりに手がけた「火要鎮」が大賞を受賞。優秀賞には細田守監督の「おおかみこどもの雨と雪」、さとうけいいち監督の「アシュラ」、杉井ギサブロー監督の「グスコーブドリの伝記」の劇場長編3作品と、和田淳監督の短編「グレートラビット」の計4作品が選出された。
「火要鎮」は、18世紀中頃の江戸の町を舞台に、商家の娘と火消しの男の恋を描いた短編作品。伝統的な日本画の画風を映像表現のモチーフに、江戸の風俗や道具、生活を再現する描写にこだわり、作画のアニメーション表現と3DCGによる表現を融合させて描いた。近年の同部門大賞受賞作は、テレビアニメの「魔法少女まどか☆マギカ」(11)、「四畳半神話大系」(10)、劇場長編アニメの「サマーウォーズ」(09)などで、短編作品の受賞は、米アカデミー賞にも輝いた加藤久仁生監督の「つみきのいえ」(08)以来となる。
大友監督は、今回の受賞に際し「やりたい企画もなかなか通らず、いろいろと厳しいことの多い昨今でしたが、前向きに先を目指しています。若い人たちの作品も含め、革新的なオリジナルのアニメーション作品が世に出せる業界の環境がもっと整ってくれるとよいと思っています」とコメントを発表している。
同作を含めた全部門の受賞作品は、来年2月13~24日、東京・国立新美術館で開催される「第16回文化庁メディア芸術祭受賞作品展」で展示・上映される。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“ベスト主演映画”TOP5を発表!
【出演123本の中から、1位はどの作品?】そして最新作は、生きる力をくれる“集大成的一作”
提供:キノフィルムズ

ワン・バトル・アフター・アナザー
【個人的・下半期で最も観たい映画を実際に観たら…】期待ぶち抜けの異常な面白さでとんでもなかった
提供:ワーナー・ブラザース映画

96%高評価の“前代未聞の心理戦”
【スパイによる究極のスパイ狩り】目を逸らせない超一級サスペンス
提供:パルコ

映画.com編集長が推したい一本
【ただの映画ではない…】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験!この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

酸素残量はわずか10分、生存確率0%…
【“地球で最も危険な仕事”の驚がくの実話】SNSで話題、極限状況を描いた超高評価作
提供:キノフィルムズ

めちゃくちゃ笑って、すっげぇ楽しかった超刺激作
【これ良かった】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

なんだこのかっこいい映画は…!?
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった――
提供:ディズニー

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント