「マルジャンが僕を誘惑した」マチュー・アマルリック「チキンとプラム」出演経緯を告白
2012年11月9日 19:53

[映画.com ニュース] 「ペルセポリス」で知られる仏在住のアーティスト、マルジャン・サトラピが手がけた初の実写映画「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」が、11月10日公開する。主人公の天才音楽家を演じるマチュー・アマルリックが、本作について語った。
原作は、05年のアングレーム国際漫画祭最優秀作品賞を受賞したサトラピのコミック「鶏のプラム煮」。1958年テヘランを舞台に、楽器を壊され絶望したバイオリン奏者が、死を決意した最後の8日間で人生と叶わなかった愛を美しい映像で描き出す。アマルリックのほか「ブルーベルベット」のイザベラ・ロッセリーニ、カトリーヌ・ドヌーブの娘キアラ・マストロヤンニら豪華女性キャストが共演する。
アマルリックはサトラピの作品のファンではあったが、本作への出演はまったく予期していなかったという。主演することになった経緯を「マルジャン・サトラピにクレイジーな誘われ方をしてね(笑)。あるとき彼女が電話をして来て、僕を誘惑した。彼女は誘惑の仕方を知っている、とても危険な女性だよ(笑)」と冗談めかして明かし、サトラピの口調を真似て「『もしあなたがこの役を引き受けてくれなかったらわたしは死んでしまうから! もう何年もあなたが歩いて来た床を舐め続けて来たの! お願い、この役を演じられるのはあなたしかいないの! わたしはあなたの瞳に恋をしているのよ!! お・ね・が・い!』。これがマルジャン・サトラピという人だ(笑)」と臨場感たっぷりに説明してくれた。
ファンタジー的な要素が入り混じったサトラピの映画の魅力は「まったくあり得そうもないことを信じさせることにある」という。本作のテーマは1人の男の悲恋であるが、その悲しみを、幻想的な映像を交えて美しく非現実的に描き出す手法をアマルリックは「それはマルジャンが生まれたイランの文化で、そういう傾向があったからじゃないかな」と考える。そして、「感情を抑制し、表には出さず、生き残るために人々は嘘をつかなければならない。革命が起きる前の50年代のイランはまったく別で、人々はもっと表に出て、オープンで、女性たちは優雅なドレスを着てタバコを吸った。でも突然それが愚かなことのために禁止された。だからそうした豊かな時代をマルジャンはここで再び創造したんだ」と分析した。
「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」は11月10日公開。
(C) Copyright 2011Celluloid Dreams Productions - TheManipulators – uFilm Studio 37 - Le Pacte – Arte France Cinema – ZDF/ Arte - Lorette Productions– Film(s)
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