山田洋次監督、文化勲章を受章 渥美清さんも「きっと喜んでくれた」
2012年10月30日 18:00

[映画.com ニュース] 山田洋次監督が10月30日、文化の発展に多大な功績を残した人に贈られる文化勲章を受章することが決まった。山田監督は滞在中の京都で連絡を受けたそうで、「びっくりしました。映画人のひとりとして、映画界を代表して日本映画のためにこの章をいただこう、という気持ちでお受けしました」と話した。
50年にわたる監督生活を振り返り、「松竹という土台があったので、つくりたい作品があってそれを実現できる条件を与えられていました。常につくりたいものがあり、それが50年間続いてきました」。「男はつらいよ」シリーズが終わったとき、「『これで終止符を打つか』とも思いましたが、でも寅さん以外の作品でつくりたいものもいくつもあり、それをひとつずつ実現しているうちに、何年も経ってしまったという感じです」と語る。
寅さんが今回の受章を聞いたら、「『文化勲章って、それ何だい』『そんな立派なものもらって、どうするんだい』『俺みたいな出来損ないの映画をつくっていて、そんな章を取るなんて』と冷やかしそうですね。そして、(寅さんを演じた)渥美清さんが生きていたら、きっと喜んでくれたでしょう」と故人に思いを馳せた。
今回の受章に際し、「男はつらいよ」シリーズで寅さんの妹さくらを演じた倍賞千恵子は「本当におめでとうございます。山田さんの作品に登場するのは、英雄でもなく偉人でもなく、輝くスポットライトを浴びる人でもなく、その後にいる本当に普通の人間です。私はそんな山田作品のなかで、たくさんの仕事をご一緒できたことを本当に誇りに思います。そして、そんな山田さんの作品が大好きです」とコメントを寄せている。
山田監督の最新作「東京家族」(2013年1月19日公開)に主演する橋爪功は、「受章おめでとうございます。監督の最新作に参加できたことを誇りに思います」と手放しに喜んでいる。吉行和子も、「おめでとうございます。こんなにうれしいことはありません。これからも、素晴らしい作品の誕生を期待しております」と祝福した。
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