吉永小百合、若手共演陣を絶賛「これからの日本映画を担っていって」
2012年10月22日 15:00
[映画.com ニュース] 吉永小百合が10月22日、主演最新作「北のカナリアたち」の公開を記念した「吉永小百合展 一生生徒で…」の開催を受け、同展が催される東京の西武池袋本店で会見した。今年で女優デビュー55周年を迎える吉永は、「お話をいただいた時は悩んだ。現役でこのような大きな展覧会を開いていただくなんて、気恥ずかしくて穴があったら入りたい気持ち」と率直な心境を明かした。
幼少期から学生時代までの貴重な写真や制服、「北のカナリアたち」の舞台となる小学校の教室の再現など、総展示数はおよそ350点にも及ぶ。また、吉永が日本アカデミー主演女優賞受賞時(01)に着用したドレス等を抽選でプレゼントする豪華イベントも企画されている。
今もなお第一線で活躍し続ける吉永は、「記念の年だから私の足跡を見ていただくのもいいかもと決心した。色々な私の部分をご覧いただき、これからも皆様の応援をいただけたら」と謙きょに挨拶。展示会タイトル「一生生徒で…」とは、「いち俳優としてこれからもやっていきたいし、みなさんから教えていただく立場でいたい。仕事だけでなく、習いごと遊びごとも少しでも成長したいという思いがある」と真しに語った。また、「今回の映画でも私はやはり生徒だった。撮影中も6人の生徒たちにいっぱいいっぱい教えていただき、彼らの仕事に対する集中力にはとても感動してしまった。これからの日本映画を担っていってくれるような存在で、バトンタッチするような思い。幸せな撮影だった」と振り返った。
そして、「キューポラのある街」など多くの作品で共演した浜田光夫や、吉永とともに“日活三人娘”と呼ばれた松原智恵子ら日活時代の同窓生がサプライズで登場。吉永の知られざるエピソードの数々を明かし、会場はプチ同窓会といった趣きで大盛りあがりとなった。浜田が、「(吉永の)タイプは年上でゴツゴツしたじゃがいもみたいな人と言っていた。それで自分ではないなと思った」と暴露すると、吉永は恥ずかしそうに照れ笑いしていた。
また、先日亡くなった俳優の大滝秀治さんとの思い出を聞かれると、吉永は「『母べえ』でのひょうひょうとしたお芝居に胸を打たれた。とてもさびしいことですし、私たちが後を継いでしっかりやっていかないと」と神妙な面持ちで語った。
映画は、湊かなえの連作ミステリー「往復書簡」に収められた「二十年後の宿題」を原案に、阪本順治監督が豪華キャストで描くヒューマンサスペンス。日本最北の島・礼文島と利尻島で小学校教師をしていた川島はる(吉永)は、ある事件を機に島を離れていたが、20年ぶりに教え子たちに会うため島に戻ると、それぞれが抱える思いや後悔が明らかになっていく。
「吉永小百合展 一生生徒で…」は10月23~31日まで開催。「北のカナリアたち」は11月3日より公開。