“周防正行映画祭”に歴代豪華キャストが結集 妻・草刈も「死ぬまで精進して」
2012年10月9日 12:30
[映画.com ニュース] 周防正行監督の最新作「終の信託」の公開を記念し10月8日、都内の劇場で「周防正行映画祭」と銘打たれた特集上映が開催され、周防監督をはじめ、役所広司、草刈民代、竹中直人、加瀬亮、瀬戸朝香ら周防組の歴代出演者が勢揃いし、舞台挨拶に立った。
同映画祭では、周防監督の代表作「シコふんじゃった。」「Shall we ダンス?」「それでもボクはやってない」の3本を一挙上映。豪華キャスト陣に囲まれた周防監督は、「ここにいる皆さんが僕のイメージを越えて存在してくれた。色々な映画で活躍しているのを見てうれしく思っている。感謝」と一礼。また、「映画監督になる前は映画は監督のものだと思っていたけど、実際は見た人のもの。これからも良い映画を届けていきたい」と抱負を語った。
「Shall we ダンス?」で周防組に初参加した草刈は、「それまで踊りをテーマにした作品にリアリティがなくて、映像の話をいただいても自分がやることじゃないなと視界に入らなかった。『Shall we ダンス?』は日本のダンス環境や状況がよく描かれていて、信頼できると思った」と述懐した。一方で、この作品を機に結婚した周防監督の男としての魅力を、「その時は感じてなかった」と暴露。そんな草刈とのなれそめを聞かれた周防監督は、「くどいてない。勘違いかな? プロモーションで一緒になる機会が多くてご飯に行ったり毎日電話で2時間くらい話すようになって、俺ちょっとよく思われてるぞと俄然その気になった。だけど結婚したら毎晩違う人と長電話しているので……というオチ」と照れながら明かし、会場は笑いに包まれた。すると草刈は、「これからもどんどん良い作品を作ってもらって、死ぬまで精進してもらいたい。頑張ってください」とエールをおくっていた。
同じく「Shall we ダンス?」で周防監督と初タッグを組んだ役所は、「オーディション会場のエレベーターで会って単なるオヤジだという印象をもたれたそうで、そのおかげで役を獲得できた。色んな国の映画祭で僕のパスポートとなるような作品で人生が変わった。心から愛してます」と敬愛。そして、「色んなタイプの映画があるけど、ケレン味なく正面から堂々と作る映画作家。草刈さんとの長い新婚生活を終え、これからもどんどんたくさん映画を撮ってほしい」と切望した。「それでもボクはやってない」で主演を務めた加瀬も、「僕は気が小さいので初対面は緊張しちゃうんだけど、初めてほっと安心して対面できる監督だった。正直で誠実な方」と尊敬の念を語った。
最新作「終の信託」は、現役弁護士・朔立木による同名小説の映画化で、草刈と役所が「Shall we ダンス?」以来16年ぶりの共演を果たしたヒューマンドラマ。終末医療をテーマに、ある重病患者(役所)から「もしもの時は早く楽にしてほしい」という“信託”を受けたエリート女性医師(草刈)が下した苦渋の決断と、それを殺人罪とみなす検事(大沢)の攻防を描く。周防監督は、「こんなにユーモアのまったくない映画を作るとは思っていなかった。でも、これもまた映画らしい映画を作ろうと思って作った映画。緊張感に溢れているので深く深く味わってもらいたい」と語った。
「終の信託」は10月27日から全国で公開。
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