高倉健「あなたへ」モントリオールで特別賞受賞
2012年9月4日 13:39

[映画.com ニュース] 高倉健の通算205本目となる映画出演作「あなたへ」が9月3日(現地時間)、カナダ・モントリオールで開催中の第36回モントリオール世界映画祭でエキュメニカル審査員賞特別賞を受賞した。日本映画の同賞戴冠は、故森田芳光監督作「それから」(1986)以来、実に26年ぶりとなる。
ワールドコンペティション部門に出品されていた今作は主要賞の受賞を逃したが、コンペ部門以外の審査員が選ぶエキュメニカル審査員賞特別賞に輝いた。同賞は、人間性の内面を豊かに表現した作品に与えられる。市川南エグゼクティブプロデューサーは、「多くを語らずとも相手のことを思いやるという日本的な感情を表現したこの作品が、国際的に評価されたことは大変光栄です」と挨拶した。
高倉は1999年に開催された同映画祭(第23回)で、降旗康男監督作「鉄道員 ぽっぽや」の演技が評価され、日本人俳優としては初めて主演男優賞を戴冠した。そのときは出席がかなわなかったが、今回ようやくモントリオール入りが実現。2日の公式上映時には、満席の客席からスタンディングオベージョンが沸き起こり、感激の涙をぬぐうひと幕もあった。
授賞式前に行われたレッドカーペットアライバルに参加した高倉は、映画祭の最高責任者であるセルジュ・ロジーク氏と腕を組みながら各国からのゲストの先頭をきって笑顔で歩いた。授賞式では受賞者に惜しみない拍手をおくるなど、18年ぶりの海外映画祭を楽しんだ様子。「ロジーク氏に御礼が言えてよかった」と語り、今回の出席の大きな目的を果たしたことに笑顔を浮かべていた。
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