このミス大賞「さよならドビュッシー」、橋本愛主演で映画化
2012年8月16日 17:00
[映画.com ニュース] 第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した中山七里の推理小説「さよならドビュッシー」が映画化され、2013年春に公開されることが決まった。ピアニストを目指す少女・遥役で「貞子3D」「Another アナザー」「桐島、部活やめるってよ」など、出演作が相次ぐ橋本愛が主演。また、遥のピアノを指導する音大生で、物語の謎を解き明かす探偵の役割も果たす岬洋介に現役ピアニストの清塚信也が扮し、演技に本格初挑戦する。
ピアニストを目指す16歳の遥は、両親や祖父、従姉妹らに囲まれ幸せに暮らしていたが、ある日火事に巻き込まれ、ひとりだけ生き残る。全身に火傷を負い、心にも大きな傷を抱えた遥は、それでもピアニストになることをあきらめず、音大生・岬洋介の指導の下、コンクール優勝を目指してレッスンに励む。しかし、周囲で不吉な出来事が続発し、ついには殺人事件まで起こってしまう。原作は、岬が音楽絡みの難事件を解決していくシリーズの第1作で、続編の「おやすみラフマニノフ」などシリーズの売り上げは累計43万部にのぼる人気作だ。
ピアニストの卵を演じる橋本は、「技術的なものも必要になりますので、違う方向から役に入るという作業があります。準備しなければいけないことがあるので、そこに対しての不安はあります」と胸中を告白。「まずは楽譜を覚えることから始めました。あと、ドビュッシーの曲は昔から知っていたのですが、クラシックに触れるようになりました」と役作りについて話す。そして、「この作品は、最後にとても大きなどんでん返しがあるので、そこをずっと胸に抱えながら、ひとつひとつ丁寧に演じています。自分と周りと戦いながら、大事に演じています」と撮影が続く現在の心境を明かした。
一方、「昔から映画やお芝居が大好きだったので、今とても幸せを感じる瞬間があります」と喜ぶ清塚は、演じる岬について「いろんな顔を持っているので、すごくやりがいのある役です」と意気込む。劇中にとどまらず実際にピアノの指導をしている橋本については、「とっても優秀な生徒ですね。教えたことを先回りしてやってくれたり、僕の言葉が足りない部分もしっかり理解していてくれて、驚くことばかりです」と称えた。
監督は、俳優としてもさまざまな作品で活躍する利重剛。ベルリン国際映画祭に出品された「クロエ」(2001)以来となる長編映画のメガホンとなり、今月13日には、名古屋芸大でエキストラ450人を入れてのピアノコンクールのシーンも撮影された。