早大出身“チーム桐島”母校で凱旋ティーチイン
2012年7月4日 09:30

[映画.com ニュース] 作家の朝井リョウが早稲田大学在学中に書き上げた小説を実写映画化した「桐島、部活やめるってよ」の特別試写会が7月3日、東京・早稲田大学で行われ、メガホンをとった吉田大八監督とプロデューサーの枝見洋子氏が観客とのティーチインに臨んだ。吉田監督と枝見氏は同大第一文学部の卒業生。こん身の作品を引っさげ、母校に凱旋した形だ。
映画は田舎の高校を舞台に、バレー部のキャプテン・桐島が突然部活を辞めたことをきっかけに、校内の人間関係が静かに崩壊するさまを描く。同日・同刻に起こる出来事を、さまざまな人物の時間軸や視点を交錯しながら切り取っていく。現在26歳の枝見氏は「原作を読んですぐに企画書を書いた。チャンスは得たが、特殊な語り口の原作なので、どう映像化したらいいか悩んでいた」。吉田監督へのオファーは、前作「パーマネント野ばら」(2010)が決め手だったといい「登場人物の表情にグッときた。この監督が描く高校生が見たいなと思った」と初プロデュース作への思いを語った。
一方、吉田監督は「最初は甘酸っぱい青春ものだと思っていたが、実際に読んでみると、ちょっとヒリヒリするものを感じた」と述懐する。原作は登場人物のモノローグによって構成されたオムニバス形式で「そのままでは映画になじまないが、視点によって同じ出来事が違って見えるという特徴はぜひ生かしたかった」。映画では、複数の視点で捉えた同じ“金曜日”の配列に気を配ったといい「お客さんは『もう金曜日はいいよ』ってイライラするかも。そこが狙いです」と演出の意図を説明した。
この日は原作者の朝井氏が勤務先から飛び入り参加し、早大出身の“チーム桐島”が勢ぞろい。すでに映画を2度見たという朝井氏は「親バカかもしれないが、すごくいい映画」と大満足の様子だ。
主人公は神木隆之介演じる映画部部員の前田涼也で、タイトルになっている桐島は不在のまま、物語が進行していく。「中心人物がいないまま、物語が成立するのか構造的な挑戦がしたかった。脚色で変わった部分もあるが、核の部分では合致していた」(朝井氏)、「存在しない桐島をどう扱うかが大切。映画にしにくい原作のほうが燃えるし、朝井さんの難問には大いにかき立てられた。映画が完成し、役目を果たせたという達成感がある」(吉田監督)と世代を超えた共闘による本作に手応えを示した。
「桐島、部活やめるってよ」は、8月11日から公開。
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