「グッドフェローズ」主人公モデルの元マフィア、H・ヒル氏が死去
2012年6月17日 16:53
[映画.com ニュース] マーティン・スコセッシ監督の傑作マフィア映画「グッドフェローズ」(1990)の主人公のモデルとなった、元マフィアのヘンリー・ヒル氏が6月12日、米ロサンゼルスの病院で死去した。69歳だった。ヒル氏の婚約者の話によれば、死因は心臓疾患だったという。
ヒル氏は1943年、ニューヨークでアイルランド系の父親とイタリア(シチリア)系の母親の間に生まれた。マフィアに憧れ、12歳のときに5大ファミリーの一つ、ルッケーゼ一家の使い走りとなる。しかし80年、麻薬取引で逮捕されたのち、37歳で司法取引に応じて米政府に情報を提供。かつての仲間が大勢逮捕されるきっかけを作った。
ヒル氏はその後、FBIの証人保護制度のもと、各地を転々としていたが、近年はカリフォルニアに居住し、「The Wiseguy Cookbook」(02)ほか数冊の著書を上梓したほか、メディアに露出することもあった。
映画「グッドフェローズ」は、ニコラス・ピレッジのベストセラー評伝「Wiseguy: Life in a Mafia Family」(邦訳は「グッドフェローズ」)を映画化。レイ・リオッタがヒル氏を演じたほか、ロバート・デ・ニーロ、ジョー・ペシら豪華キャストが共演した。