森山未來「苦役列車」撮影中は3畳ひと間の民宿で役柄を疑似体験
2012年6月14日 18:35
[映画.com ニュース] 森山未來主演で、西村賢太氏の第144回芥川賞受賞作を映画化する「苦役列車」の完成披露会見が6月14日、都内のホールで行われ、森山をはじめ共演の高良健吾、前田敦子、メガホンをとった山下敦弘監督が出席した。
今作の主人公は、日当5500円の日雇い労働でその日暮らしの生活を続ける、中卒で19歳の北町貫多。生来の素行の悪さと性犯罪者だった父をもつ引け目から、これまで誰も相手にせず、誰からも相手にされなかった貫多が、ある出会いによって大きな変化を目の当たりにする姿を描く。
森山は撮影中、新宿の3畳ひと間の民宿に宿泊しながら貫多の生活を疑似体験しながら現場に通ったそうで「ゴールデン街に興味がありましたので、役柄にかこつけて毎日、顔をパンパンにはらせて現場に行きました。はらせばはらせるほど、監督にほめられたんです」と述懐。専門学校生・日下部正二に扮した高良は、「森山さんが顔パンパンで遅刻してくると、皆ほめるんです。むくみが取れる前に早く撮ろうと。今まで見たことのない現場でした」と笑った。
そんな森山の役作りに対し、山下監督は「役者に絞ってくれということはありますが、森山くんは酒と炭水化物をしっかりとって、タバコも吸いすぎ。ミニ西村賢太だった」と太鼓判。映画オリジナルのヒロイン・桜井康子を演じた前田は、貫多と正二のどちらが好みかを聞かれ「正二さんは貫多といると完璧に見えて、キラキラ男子。貫多はひどい人だと思ったけれど、途中からかわいくて仕方がなくなるんですよね。貫多は気になるところがたくさんあります」と話す。一方の森山は、「傍から見たら面白いのかもしれませんが、触れたいかどうかは別でしょうね」と切り返し、前田を苦笑いさせていた。
「苦役列車」は、7月14日から全国で公開。