小栗旬「グスコーブドリの伝記」引っさげ宮沢賢治ゆかりの地を訪問
2012年6月13日 18:00
[映画.com ニュース] 宮沢賢治の童話をアニメ映画化した「グスコーブドリの伝記」のジャパンプレミアが6月12日、岩手・花巻農業高校で行われ、声優を務めた俳優の小栗旬、忽那汐里、草刈民代、杉井ギサブロー監督らが出席した。
会場となった花巻農業高校は、宮沢賢治が教べんをとった花巻農学校の後身として知られる。宮沢賢治ゆかりの地を訪れた小栗は、「僕らは作品を通してイーハトーヴに触れてきたけれど、その場所で映画を見てもらえたことがとてもうれしい」と感激しきり。杉井監督は、「震災があって自然と人間の関係を考えさせられ、僕らができることはこの映画をきちんとつくり上げること、賢治の思いを伝えることだと思い、スタッフみんなで力を出し切りました」と振り返った。
小栗、忽那、草刈の3人は、人々とのきずなを描いた今作で“家族”として声優に挑戦。家族への思いを問われると「うちは仲のよい家族なので、自分とまったく違うブドリのようになったらどうなんだろうと思った」(小栗)、「海外育ちで自由に過ごしてきましたが、今日本で環境が変わり家族の気づかいを強く感じます。この支えを絶対になくしたくない」(忽那)と明かした。
小栗らはこの日、ジャパンプレミアの前に岩手・花巻のポランの広場を訪問。現地の幼稚園児らによる主題歌「生まれ来る子供たちのために」の生演奏で迎えられ、「すばらしい! 心洗われました。ビートを刻んでしまいましたね」(小栗)、「聞き入ってしまいました。かわいかった」(忽那)と喜びを語った。さらに、小栗は「一日賢治課課長」に任命され、「小栗“賢治”として賢治が愛した岩手の土地を、1日ですが映画とともにPRしたい」と意欲をのぞかせた。
「グスコーブドリの伝記」は、宮沢賢治の原作をアニメ映画化した「銀河鉄道の夜」(1985)の杉井監督、ますむらひろしが再びタッグを組んだアニメ映画。20年代の東北の森を舞台に、家族を失った青年ブドリが厳しい自然と向き合う姿を描く。小栗、忽那、草刈をはじめ柄本明、佐々木蔵之介らが声優として参加した。7月7日から全国で公開。