入江悠監督、ドキュメンタリー映画に意欲「面倒くさい人を追いかけたい」
2012年5月14日 14:30

[映画.com ニュース] ドイツの巨匠ベルナー・ヘルツォークによるドキュメンタリー映画「世界最古の洞窟壁画 35mm 忘れられた夢の記憶」の公開を記念し5月13日、「SR サイタマのラッパー ロードサイドの逃亡者」の入江悠監督が東京・シアターN渋谷でトークショーを行なった。
世界最古と言われる3万2000年前の洞窟壁画がある、南仏のショーベ洞窟にカメラが潜入。研究者たちの証言も交え、高い価値を持つ壁画を映し出すとともに、ヘルツォーク監督独自の解釈やメッセージを映像に織りまぜていく。
日本では、1970年代から80年代にかけての“ニュー・ジャーマン・シネマ”の旗手としての印象が強いヘルツォーク監督。入江監督も「僕も『フィツカラルド』(82)から入ったし、ドキュメンタリーは見たことがなかった。洞窟壁画と聞いてびっくりしました」と語る。今年で70歳を迎える巨匠が、狭くて足場の悪い洞窟に入っていき、自らインタビュアーまで務めて製作していくさまに「モチベーションは何なんでしょうか? 普通、巨匠と呼ばれる人たちはどっしり構えて動かないものだけど、すごいですね」と映画への情熱を持ち続ける姿に、半ばあきれるように感嘆の声を漏らした。
本作はドキュメンタリーとうたっているが、クレジットには「脚本:ベルナー・ヘルツォーク」とあるように、脚本が存在。いくつかのシーンにおける作為的な演出、恣意的な編集を指摘する声もある。入江監督も「時々出てくるインタビューが妙に長いし、ヘルツォークの人の悪さが出ている。セリフもわざとらしいしフィクションでしょ」と断言。その上で「僕が映画を志したときには、森達也監督の『A』(オウム真理教の信者の日常を描き物議をかもしたドキュメンタリー)が既に世に出ていたし、僕にとってドキュメンタリーもフィクションだということは自明のことだった。厳密に言えば、カメラを向けられた時点で演技が始まるし、しゃべり方も変わってしまうもの」と、ドキュメンタリ―が完全なる事実をそのまま映し出したものではないと指摘する。
入江監督自身、人気バンド「神聖かまってちゃん」や本物のマネージャーを出演させ、実際のライブ映像を使いながらも、あくまでフィクション映画として「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」を発表している。「あれは、本人たちによる完全なフィクション。プロの俳優と演技をしたことのない人がぶつかる瞬間が好きなんです。ドキュメンタリーであるなら、最初からもっとうまく撮る人がいるはず。賛否があることを承知で自分なりのロック、『神聖かまってちゃん』にしたかったんです」と語った。
今後、ドキュメンタリー映画を撮る意志を問われると「面白い人を追いかけてみたいですね。撮りながらこちらも生活を明け渡さないといけないような、面倒くさい人がいいですね」と意欲を見せた。同館では今後もトークイベントを開催。5月15日には映画評論家の柳下毅一郎、 18日には犬童一心監督、 6月1日は「鉄コン筋クリート」のマイケル・アリアス監督が来場する予定。
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