ユニバーサルが大作志向に転換した理由
2012年3月4日 08:30
[映画.com ニュース] 米メジャースタジオ6社のなかで、世界興行収入が3年連続で最下位に低迷するユニバーサル・ピクチャーズが、方向転換を図っているとロサンゼルス・タイムズが報じた。
過去数年は超大作の製作に消極的だった同社だが、今年は「バトルシップ」(2億1100万ドル)と、「スノーホワイト」「47RONIN」(ともに1億7500万ドル)、「ボーン・レガシー」(1億2500万ドル)と話題作がずらり勢ぞろい。2010年1月に、ユニバーサルの親会社NBCユニバーサルを買収したコムキャストの潤沢な資金のなせるわざだが、09年10月から同社を指揮する現経営陣が戦略を転換したことが最大の理由だという。
10年公開の「ウルフマン」「グリーンゾーン」といった1億ドル以上の製作費をかけた作品が、相次いで興行で失敗したことから、「もはやクリエイティブ面でやりがいがあっても、成功の見込みがわずかで失敗のリスクが甚大な企画をやる余裕はない」と、ドナ・ラングリー副会長は言う。世界興収の6割をアメリカ国外の映画市場が占めており、外国の観客がVFX満載の大作映画を好むことから、娯楽大作に比重を置くことにしたという。今年で創業100周年にあたる同社が、超大作でスランプを打開できるかに注目だ。
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