安齋肇、町山広美と「ニーチェの馬」タル・ベーラ談義に花
2012年2月5日 15:00

[映画.com ニュース] ハンガリーの鬼才タル・ベーラ監督が最後の作品と公言する最新作「ニーチェの馬」公開を記念し、イラストレーターの安齋肇と放送作家の町山広美が2月4日、都内のカフェでトークイベントを行った。
ドイツの哲学者ニーチェの逸話をもとに、荒野に暮らす貧しい父娘と1頭の馬の日常とやがて訪れる終末を静ひつなモノクローム映像で描き出す。第61回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員特別賞)と国際批評家連盟賞をダブル受賞した。
感想を問われた安齋は開口一番「グッときました」。「最新作とは思えないほこりっぽさは今の時代にはありえない。映画を見るというより、体験しているようだった」と、同作の強烈な印象を語る。会場ではタル・ベーラ監督が2000年に発表した『ヴェルクマイスター・ハーモニー』が上映されており、「ミュージシャンも(タル・ベーラ作品に)影響されている。ベックはこの(登場人物の)髪型まねしてると思う」と音楽にも造けいが深い安齋ならではの視点で会場をわかせた。
町山は「2時間考えて反すうする映画。人生の終わりを描いているが、私は見終わった後に元気が出た」と感想を述べ、「モノクロの作品は抑制だと思わせるけれど、タル・ベーラ監督の作品はおれの絵を見ろ!っていう強いものを感じさせる見せ方」と分析した。
ふたりはタル・ベーラ監督の人柄や作品の自由な解釈で盛り上がり、安齋は「これで(映画製作を)やめると言ってるけれど、おれより若いし何か企んでるはず(笑)」と予想。そして「アートや音楽は提案するもの。この作品には映画が投げかける無責任な部分がすごくある」と絶賛した。
ふたりのトークはワインを飲みながら、リラックスした雰囲気で進行。ニーチェの思想から下ネタまであらゆる方向に話が広がり、笑いの絶えないイベントとなった。また、長年ふたりと親交があり、先日死去したコラムニストの川勝正幸さんとの思い出も語られた。
「ニーチェの馬」は2月11日公開。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース




「CHANEL and Cinema TOKYO LIGHTS」ティルダ・スウィントンが語る、“つながり”の重要性とフィルムメイカーとしてのキャリア
2024年12月30日 16:30


映画.com注目特集をチェック

アマチュア
【最愛の妻がテロリストに殺された――】殺しの経験ゼロ、しかし“最高の頭脳を持つ男”の復讐が始まる
提供:ディズニー

HERE 時を越えて
【何だこのすごい映画は!?】まるで動かない「バック・トゥ・ザ・フューチャー」 ラストの多幸感よ…
提供:キノフィルムズ

異常者×異常者×異常者…
【イカれた映画を紹介するぜ!】命令無視の異常者チームが無許可で大暴れ! ぶっ刺さる一作!
提供:KADOKAWA

絶対に絶対に絶対に“超ネタバレ厳禁”
【涙腺崩壊、感情がぐちゃぐちゃで大変】早く話したいから、お願いだから、みんな早く観てほしい。
提供:リトルモア

映画が大好きな人へ――
“映画館でオトクに観る裏ワザ”、ご紹介させてください!【知らないと損な神情報】
提供:KDDI