アミール・ナデリ監督が柳下毅一郎と熱論「日本は映画の豊かな国」
2011年12月24日 14:00

[映画.com ニュース] 日本滞在中のイランの名匠アミール・ナデリが12月23日、東京のシネマート新宿で公開中の最新作「CUT」のイベントに出席。雑誌・映画秘宝主催で、映画評論家の柳下毅一郎とともに「腐りきった映画業界にモノ申す!」と題したトークショーを繰り広げた。
第6回東京フィルメックス映画祭で、ナデリ監督と西島秀俊の運命的な出会いから生まれた本作。兄の借金を返済するため、殴られ屋をして金を稼ぐ売れない映画監督(西島)の狂気的なまでの映画愛を描き出す。
12月17日の公開以来、毎日劇場に足を運んでは来場したファンにサインや写真撮影をしたり、献身的に映画のプロモーションを行っているナデリ監督。「過去の名作なしには『CUT』は存在しない。あなたの国はとても映画の豊かな国なのだ。もっと昔の名作を見ていただきたい」と訴えた。また、「プロデューサーに信頼されれば好きなことができる、これがインディペンデント映画のメリット。映画製作中は嫌われてしまうが、完成するとみんな私の最高の友人になってくれる」と話し、笑いを誘った。
本作を「狂気の愛を描いたシュルレアリスム映画」と評している柳下は、「最初は到底映画になるとは思えない題材だと思ったが、ものすごい集中力と馬力をもった映画に完成していた」と絶賛。「足を踏み鳴らす音などが音楽のように聞こえてきて、監督は音に対して耳がいいなと思った。西島さんが殴られていくにつれ美しくなっていき、男性が見てもセクシーなのだから女性が見たら大変なことになる。ここまで俳優の肉体がきちんと描かれている映画は滅多にない」とうなっていた。
フォトギャラリー
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

キャンドルスティック
【予告編だけでこんなに観たくなること…ある!?】阿部寛、10秒でAIを騙す――狂おしいほど面白そう
提供:ティ・ジョイ

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

すさまじい“魂震作”だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント