森山未來、再び“ダメ男”に 「苦役列車」で高良健吾と共演
2011年12月3日 05:01

[映画.com ニュース] 俳優の森山未來が、第144回芥川賞受賞作を映画化する「苦役列車」(山下敦弘監督)に主演し、共演の高良健吾と強力タッグを結成することになった。森山が演じるのは、ひたすら酒と風俗におぼれる中卒19歳の日雇い労働者・北町貫多。「台本を読んだときに『モテキ』に続いて、またダメな男の役をやるのかと(笑)。山下さんとはぜひ一緒にやりたいけど、ストレートに“やります!”とは言えませんでしたね」と心情を吐露している。
西村賢太の話題作が、早くも映画化される。物語の舞台となる1987年、主人公の貫多は日当5500円の港湾での日雇い労働にすがる日々。自業自得ともいえる素行の悪さ、極悪な性犯罪者だった父をもつ引け目から友人も恋人もいなかった。誰も相手にせず、誰からも相手にされなかった貫多だが、ある出会いによって大きな変化を目の当たりにする。
森山と高良は、ともに山下監督との仕事を切望していただけに、11月25日のクランクイン以降、和やかな雰囲気で撮影は進んでいるという。それでも森山は、「モテキ」で夢も金もない草食系の主人公・藤本幸世を演じているだけに、悩みに悩んだ。「考えながら飲み屋で飲んでいたら、そこに偶然、山下組常連の山本浩司さんと新井浩文くんが入ってきたんです。その瞬間『これは啓示かも?』と思い、2011年はこのダメ男で締めくくることにしました(笑)」と出演にいたった経緯を説明した。
高良は、貫多と港湾労働で知り合う専門学校生・日下部正二に扮する。高校時代から山下作品が好きだったといい、これまでにオーディションを受けて落ちていたことも告白。長年の夢が実現したこともあり、「今回は好きな監督だからって考えすぎず、もういっぱい考えたので、『自分のしたいことをしよう。監督に嫌われてもいいくらいのつもりで』と思っています」と覚悟をにじませる。さらに、「森山さんのこと大好きなので、緊張しています。がっつり共演するのは初めてなので、足を引っ張らないように、しょっぱい感じにならないように頑張ります」とコメントを寄せた。
メガホンをとる山下監督は、「原作も映画も貫多のキャラクターが全てだと思う」とキッパリ。そして、「貫多が実際身近にいたら面倒なやつだと思います。でも、どこか人間味あふれる憎めないやつにしたい」と話す。原作者の西村は、「ひとりの落伍者の内面描写が眼目だから、いわば活字でしか成立し得ない世界だ。しかし、これを異能の山下氏が手がけられると聞き、その映像化への危惧は霧散した。すべてを委ねたうえで、客観的に完成を待ちたい」と全幅の信頼を寄せている。
「苦役列車」は、2012年に全国で公開予定。
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