本年度の新藤兼人賞、「死にゆく妻との旅路」の塙幸成監督が金賞受賞
2011年12月2日 15:30

[映画.com ニュース] 日本映画の独立系プロダクション54社の協同組合である、協同組合日本映画製作者協会が最も将来性のある新人監督に与える「新藤兼人賞2011」の授賞式が12月2日、都内で行われ、金賞を受賞した塙幸成監督(「死にゆく妻との旅路」)と、銀賞を受賞した近藤明男監督(「エクレール・お菓子放浪記」)が出席。新藤兼人監督から、新藤監督デザインのトロフィーと副賞を受け取った。
1996年に「最優秀新人監督賞」として始まった同賞は、現役プロデューサーのみが審査員を務める日本で唯一の新人監督賞。「この監督と組んで仕事をしてみたい」「今後この監督に映画をつくらせてみたい」という観点から、その年度で最も優れた新人監督(長編処女作から3作品まで)を選出する。2000年から日本のインディペンデント映画の先駆者である新藤監督の名前を冠した「新藤兼人賞」に改名し、今年で16回目を迎えた。
塙監督は、長編デビュー作「tokyo skin」(95)で同賞の最終選考に残った実績をもち「あれから15年後にやっと受賞させていただき、まさかという気持ち。いろいろと問題が多かった作品で、大変でしたが、周りの皆さんの映画に対する思いと援助で完成することができた。今は胸を張りたい」と誇らしげだ。
一方の近藤監督は、助監督として初めて手にしたシナリオが新藤監督による「妻二人」(67/増村保造監督)とあって、トロフィーを受け取ると「感無量」。対象作品である「エクレール・お菓子放浪記」は震災前の宮城・石巻市でロケを敢行しており「都内で完成披露を行った翌日に、東日本大震災があった。そのせいで宮城での試写会が4カ月遅れになったことも。今回の受賞でやっと恩返しができた」と感慨深い表情だった。
新藤監督は、「死にゆく妻との旅路」を「生きている人間をドキュメンタリータッチで見つめることは勇気がいることで、難しかったと思うが、ある程度はうまくいっている。非常に賛成だし、私もいつかこんなことをやってみたい」と評価。「エクレール・お菓子放浪記」については、「後半が少し長過ぎました。やりたいと思われたのなら、それは仕方ないが、シナリオを一考されたらどうかと思った」と助言し、近藤監督はタジタジ。それでも「一生懸命にたくさんの人に見てもらいたいという気持ちが伝わった」と理解を示した。
今年は桝井省志氏(アルタミラピクチャーズ)を審査委員長に、利倉亮氏(レジェンド・ピクチャーズ)、山上徹二郎氏(シグロ)が審査を担当。塙監督と近藤監督はともに、長編3作目での受賞で、ラストチャンスをものにした形だ。桝井氏によると、大根仁監督(「モテキ」)、大森立嗣監督(「まほろ駅前多田便利軒」)、坂田雅子監督(「沈黙の春を生きて」)、松永大司監督(「ピュ~ぴる」)らが最終選考に候補として挙げられたという。
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