内田けんじ監督「鍵泥棒のメソッド」は「あいのり」から着想
2011年11月21日 12:00

[映画.com ニュース] 堺雅人、香川照之、広末涼子が共演する内田けんじ監督の新作「鍵泥棒のメソッド」が、このほどクランクアップした。3年ぶりにメガホンをとった内田監督をはじめ、主演3人に都内の撮影現場で話を聞いた。
内田監督は、2005年に公開された「運命じゃない人」が、第58回カンヌ映画祭・批評家週間で4冠に輝く快挙。前作「アフタースクール」は、78スクリーンでの公開ながら興行収入約6億円を記録する大ヒットを飾った。今作の主人公は、俳優を志望するものの挫折し自殺を考える男・桜井(堺)。死ぬ前に立ち寄った銭湯で、偶然居合わせた羽振りのいい男・コンドウ(香川)が目の前で転倒し、記憶喪失に。出来心からロッカーの鍵をすり替え、コンドウになり代わった桜井は、ヤクザ絡みのトラブルに巻き込まれていく。
「アフタースクール」公開後、内田監督は次回作に向けて何度も試行錯誤を繰り返した。当初から「どんでん返しの話にするつもりはなかった。シンプルで起承転結のある話にしたかった」という。そんなときに多大な影響を受けたのが、妻が見ていた恋愛バラエティ番組「あいのり」だったと告白。「最初は『くだらないものを見ているんじゃない! いい年をした大人たちが恋をするためだけに旅をするだなんて!』と思っていたんですが、思い切りハマッちゃいました」と笑う。
結局、時に感動の涙を流しながら、最終回まですべてを見るほどのファンになってしまった内田監督は「そのうち、『何でみんなラブワゴンに乗らないの? なんで働いているの? 何しに生まれてきたの?』と思うようになったんですよ」。だからこそ、「好きな人ができて恋をすることほど素晴らしいことはないのに! 最近は婚活をしている人をかわいそうだと感じる人がいるみたいですが、『生物としての本質ってどうなの? 必死になって何が悪いんだろう?』と感じたんです」と述懐した。
主演3人の息もぴったり。堺が「出演が決まってから共演者が香川さんだと聞いて、やめておけば良かったなあと。演技合戦みたいな形になると損じゃないですか。この人と太刀打ちして、まともにかなう人は日本にいないですから」と話せば、香川は「僕は芝居なんてしていませんよ。監督のイメージが明確なので、手取り足取り演出していただいている」と、どこまでも謙虚な姿勢を崩さない。そんなふたりに対し、広末は「ぜひおふたりのバトルを見たい!」と目を輝かす。
今作は、「アフタースクール」のように先の読めない構成とは趣が異なり、内田監督が目指したものは、よりシンプルなもの。それでも、堺は「最後までハラハラドキドキという要素は保証できると思います。何回も見ないとわからないというのではなく、映画館を出るときに、何かしらのものを持って帰っていただけるはず」と自信をのぞかせる。
広末は、今作の脚本を「すごくかわいい本ですよね」と表現する。香川も、「ほっこりキュートって感じかな」と同調。堺は、「かわいいという表現は、僕と香川さんだけの場では絶対に出てこないワードですよね。また今回は、皆さんが見たことのない広末さんをお見せできると思いますよ」と含みのある笑みを浮かべた。
「鍵泥棒のメソッド」は、2012年秋に全国で公開。
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