“死線”を見た山本太郎が出演作「マイウェイ」を語る
2011年11月19日 14:27

[映画.com ニュース] 俳優としてだけでなく、現在は反原発の活動家して注目を集める山本太郎が、日本兵役として出演した「マイウェイ 12,000キロの真実」について語った。
同作は、オダギリジョー、チャン・ドンゴン演じる2人の男が、日本、ソ連、ドイツの3つの軍服を着て戦わざるを得なかった壮絶な運命を描くスペクタクル大作。山本は、オダギリ演じる長谷川辰雄が率いる守備隊に所属する野田曹長を演じる。
オーディションでカン・ジェギュ監督の熱い要望を受けたが、求められたのは“凶暴な日本兵”の演技。典型的な“悪い日本兵”を演じるのは避けたかった山本は、「少しでも野田の信条の背景を描いてほしい」と監督と意見を擦り合わせた。そこで見えてきたのは、“国家”というものに縛られない“人そのもの”という存在だ。
「この作品には、『日本人』『朝鮮人』『ロシア人』とさまざまな『○○人』が出てきますが、そんなことは関係ないんですね。長い旅を経て“人間そのもの”がどう変わっていくのかに迫る物語だと思います。その壮大な話の中で、自分が果たせる役割を意識しました」
だが、撮影現場は過酷を極めた。日本映画では考えられないような至近距離で爆発が起こる現場は、まさに“殺す気か!?”レベル。「テストで爆発の位置や走る方向を確認しても、本番では1発目の爆発で泥と砂が“目つぶし”になって飛んでくる。もうすべてが予期しない状況。煙も立ちこめて、次に走る方向がわからない(笑)。演じているこっちがびっくりしているんですから、そりゃ映像は迫力がありますよ」
共演者について話を向けると、「日本人キャストではオダギリくんが出ずっぱりで、当然ながら僕以上の量のアクションシーンに挑んでいます。それなのに、自分のペースを守って集中力と冷静さを保ち続けているんですね。感動しました」と尊敬の念を隠さない。ドンゴンについては、「ヒーローって本当にいるんだなと思いました」と明かす。
「極寒のロケ地で数100人のエキストラがいたんです。僕らは撮影が終わると暖をとれるんですが、彼らはそのまま。そのことに対して、ドンゴンさんが(製作サイドに)異を唱えたんです。『彼らのケアをしろ。彼らも“役者”だ』って。それからはエキストラの扱いが変わりましたね。主役の器ってこういうことなんだなあ」と語った。
「マイウェイ 12,000キロの真実」は、2012年1月14日から全国公開。
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