神楽坂恵×冨樫真「恋の罪」で身も心も裸のぶつかり合い
2011年11月16日 17:56
[映画.com ニュース] 渋谷のラブホテル街で起きた殺人事件を基にしたサスペンスを軸に、大人の女性の性と自由を鮮烈な映像で描きだし話題を呼んでいる園子温監督の「恋の罪」。身も心も裸になってのぶつかり合いを見せた神楽坂恵と冨樫真が、狂気の世界に生きる女としての役づくり、そしてスクリーンに映える美しいプロポーション維持の秘けつまでを赤裸々に語った。
人気小説家の貞淑な妻として、夫に献身的に尽くす専業主婦のいずみ(神楽坂)と、大学国文科のエリート助教授の美津子(冨樫)。表向きの生活は充足して見えるふたりだが、ともに裏の顔を持ち、運命的に引かれ合う……。
「昭和初期の日本の典型的な奥さん像。旦那のためにつくして、旦那がいるから価値がある。それが自分の存在理由のすべてで、正しいと思っているけれど、でも自分も何かをしたいと思っているし、自分にはもっと価値があるんじゃないかって確かめたくて、そういうきっかけを探している人」といずみを分析する神楽坂。この役どころは、「自信がなくてできないと臆病になっている一般的な女性のタイプだと思ったので、以前の私自身にも近いところがありました」と明かす。
夜は派手な化粧を施し、街に立って男に体を売る美津子。聡明さゆえ、心の闇から激しくエキセントリックな行動に走ってしまうという役柄を、冨樫は「美津子はいずみと出会って後継者にしてやろうと考えるんです。生きざまの種をいろんなところにまいて、そして、自分は消されたいと考える激しい人。半端なことはしないんです」と考える。そして、狂気をはらんだ演技について「とりついているというか……演技プランも考えず、撮影が始まったらずっと美津子でいた気がしました。園子温という世界に、自分はどうなってもいいからどっぷりはまってしまえと思いました」と述懐する。

これまでにない女性像を体現したふたり。今回の共演でどのような印象をお互いに抱いたのだろうか。神楽坂は「ミッフィーがお好きとか、意外なかわいらしいところがあるギャップが好きになって、美津子といずみという関係だけじゃなくても距離が縮まりました。人間らしさのある女性として尊敬していて、大好きです」と冨樫にラブコールを送る。
一方の冨樫も「オーディションから舌をさわったり、ビンタしたり、おっぱいさわったり……本気でやって、神楽坂さんはそれを受け入れてくれました。ふたりが良くなるためには何でもやりたいと思っていました。掛け合いのシーンでは、何度も撮り直しがあったんですけど、何も苦ではなかったです。ふたりで成長していける瞬間なので、もっと行こう、もっと行こうってうれしいくらいでした」と神楽坂に笑顔を向けた。
ふたりが惜しげもなくヌードで対じするシーンも見どころのひとつ。美しいボディラインをどのようにして保っているのかが気になるところだ。神楽坂は、「よく鏡を見るようにしています。あとはストレスなく、食べたいときに食べたり、自分がやりたいと思っていることをやるのが大事です。それが一番健康的なこと」ときっぱり。
20代の頃は何度もダイエットに挑戦したと明かした冨樫は「全然やせなくて、精神的にやられてしまったこともありました。でもそれはまったく健康的でないので、いっさいやめたんです。自分は自分、太っていても、顔が大きくてもこの素材でいいって言う人がいればいいと思うようになったら、すごく楽になって太らなくなりました。無理なく自然に生きることが一番いいと思います」と、自然体でいることの大切さを説いた。
「恋の罪」は現在公開中。
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