カトリーヌ・カドゥ監督、六本木で黒澤明に思い馳せる
2011年10月24日 21:03

[映画.com ニュース] 日本映画界の巨匠・黒澤明監督の足跡を追った「黒澤 その道」が10月24日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われている第24回東京国際映画祭で特別上映され、カトリーヌ・カドゥ監督が舞台挨拶に立った。23日に行われたオープニングセレモニーで、カドゥ監督と並んでグリーンカーペットに登場した塚本晋也監督が、アッバス・キアロスタミ監督とともに客席から、ファンからの質問に熱心に応えるカドゥ監督を見守った。
本作は、翻訳家として黒澤監督と仕事をしてきたカドゥ監督ならではの視点で、“黒澤映画”の影響力と魅力に迫る。2009年のベネチア国際映画祭で行われた黒澤監督生誕100年記念イベントで塚本監督と出会い、「黒澤先生は亡くなってしまっているけれど、作品やその影響を通して生きている」と感動したカドゥ監督は、「現役で活躍する監督を通して“生きている”先生の姿を描きたい」という思いから製作に踏み切った。塚本監督、キアロスタミ監督をはじめジュリー・テイモア、宮崎駿、ジョン・ウー、マーティン・スコセッシ、クリント・イーストウッドら11人の映画人が、カドゥ監督の思いに賛同し結集した。
11人の中でも、黒澤監督作「用心棒」をリメイクした「荒野の用心棒」(セルジオ・レオーネ監督)で主演したイーストウッドは、「『用心棒』だったら出演してもよい」と提案し、多忙なスケジュールのなか参加したという。英ロンドンでの撮影を振り返ったカドゥ監督は、“黒澤映画”との出合いは「映画つくりだけでなく、人生においても大きな影響を与えている」と話した。
映画監督を志す学生から、映画製作で一番大切にしていることを問われると「どんなに難しくても『この映画をつくりたい』『私にしかつくれないものをつくる』という気持ちを持つこと。この作品もとても力が必要だったけれど、先生を知りたかった。私が草分けとしてやらねばと思うと勇気が出るんです」と極意を伝授した。
カドゥ監督は、黒澤監督のデビュー作「姿三四郎」「夢」の2作品が特にお気に入り。「姿三四郎」は「スポーツから自己鍛錬に持っていくまでの道がすごく描かれている。今回の映画のタイトルの“その道”もここからきているんです」、「夢」は「すごく自由な作品。予言的な部分も多くて、問われている問題が幅広い」と独自の視点で魅力を解説した。
黒澤監督と強い信頼関係を築いていたカドゥ監督は、「今作の撮影を通して死を乗り越えていった」と明かし、「この映画をつくってようやく元気になった。監督たちに質問するとき、監督の存在を感じました」と真しな眼差(まなざ)しで語った。
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