香川京子「溝口監督の『近松物語』が一番」FIAF賞受賞会見できっぱり
2011年9月6日 20:33

同賞は世界77カ国、150以上の映画保存期間で構成される国際フィルム・アーカイブ連盟(FIAF)が2001年に制定。過去の受賞者にはマーティン・スコセッシ、マノエル・ド・オリベイラ、イングマール・ベルイマン、マイク・リーら世界のそうそうたる巨匠たちが並び、香川は日本人初、アジアの女優としても初の受賞となる。
香川は溝口健二、小津安二郎、黒澤明、成瀬巳喜男ら日本が誇る巨匠たちの作品に出演。FIAFの会員である東京国立近代美術館フィルムセンターによれば、香川が当時の撮影中のスナップ写真や資料などを10年ほど前から同センターに寄贈し始め、現在までに300点ほどになったという。この功績がFIAFに認められたそうで、香川は「世界的に素晴らしい人たちのお仲間に入れていただけるのは、光栄でありがたいこと。私はその方たちの足元にも及びませんので申し訳ない気持ちもありますが、これをきっかけにできる限りお手伝いをさせていただきたい」と喜びを語った。
数多くの出演作の中で「何が一番かといえば溝口監督の『近松物語』」と断言。演技指導は一切なく、「できるまで何回もやらされ、手も足も出なかった。死ぬほどつらい思いをしましたが、芝居の基本を教えてもらったと思います。溝口監督が私の中に一番大きなものを残してくれました」と思いをはせた。溝口監督は長回しで知られるが、「私は長い方が気持ちがつながり、カメラを気にせず芝居に集中できるので好きです」と映画女優のプライドものぞかせた。
現在の日本映画界については、「昔との大きな違いは撮影所がなくなったこと。それだけに、誰でも映画を撮れる自由さがあると思います」と分析。香川の背中を目指す後進に対しては、「日本映画に限らず、多くの優れた作品が残っているので、たくさん見てほしい。それが一番じゃないかな。それと、いろいろな現場での経験が大事。ムダだと思うこともあるかもしれないけれど、時間がたてば何かの役に立っていると思うはずです」とエールを送った。
10月22~30日に開催される第24回東京国際映画祭では、フィルムセンターとの共催で「近松物語」の新訳ニュープリント版をはじめ「東京物語」のデジタルリマスター(小津監督)、「驟雨」(成瀬監督)、「どん底」(黒澤監督)など香川さんが出演した9作品を「香川京子と巨匠たち」と題し特集上映。会期中の10月24日に、FIAF賞の授賞式が行われる。
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース
【本日配信開始】SNS総フォロワー数430万越えの阿部なつきが“令和のハニー”に! 「キューティーハニー BELOVED ENEMY」変身ビジュアルを一挙披露!
2025年11月25日 12:00
映画.com注目特集をチェック
WEAPONS ウェポンズ
【問題】子ども17人が同時に行方不明に…このヒミツ知りたい? ネタバレ厳禁考察ミステリー緊急公開
提供:ワーナー・ブラザース映画
WIND BREAKER ウィンドブレイカー
【この冬、一番かっこいい男たちに会いに行こう】ビジュ限界突破。ぜ~んぶがクリティカルヒットした話
提供:ワーナー・ブラザース映画
昼、母親。夜、ドラッグの売人。
【衝撃の感動作】大切な人のためならどこまでも頑張れる。たとえそれが、どんなに危険なことでも。
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
すべての瞬間が魂に突き刺さり、打ち震えるほどの体験が待っている。
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI