J・ワン監督「ハリウッド映画はリメイクものばかり」と懸念
2011年8月26日 12:50

[映画.com ニュース] ローズ・バーン、パトリック・ウィルソン共演で製作されたホラー映画「インシディアス」が、8月27日から公開される。古い一軒家を舞台に、若い夫婦と幼い子どもたちが体験する恐怖を描く。大ヒットスリラー「ソウ」シリーズ、「デッド・サイレンス」に続きメガホンをとった、ジェームズ・ワン監督に話を聞いた。
「『ソウ』はスリラーだ」というワン監督は、「超常現象のホラーの中でも幽霊屋敷ものを作りたいという気持ちが生まれてきた」と製作経緯を話す。同シリーズでタッグを組んだリー・ワネルが脚本、「パラノーマル・アクティビティ」のオーレン・ペリが製作を担当し話題を集めた。初仕事となったペリは「同じ感覚を持ちあわせている」、18歳からの親友であるワネルは「アイデアがリサイクルされる中で、見たことがないものを作ろうする姿は素敵」と振り返る。
「サスペンスを積み上げてストーリーを練った」と話す通り、物語の展開を暗示する伏線が随所にちりばめられている。「型にはめて作るのではなく、ストーリーをひねって作りたかったんだ。1回目は気付かなかったことが、2回、3回と見るうちにわかるような作品づくりを心がけたよ」と述懐。そして「年齢を重ねて大人になると若さや無くさを失ってしまうことも描きたかった。それをセリフや視覚的に散りばめて見せることも考えた」と強調した。

低予算という制約は、「お金がないから、やりたいことすべてはできない」と吐露。しかし「自由さが高くクリエイティビティが発揮できる。自分なりのやり方で見せることができる」とポジティブに解釈している。一方で「映画づくりは製作費集めが厳しくなっている」と指摘。「ハリウッドの映画づくりも、安全パイルートをとるフランチャイズやリメイクものばかり。すでにブランドがあって安心できるものに投資する傾向が強まっていて、誰も新しいものをやろうとしないんだ。ある程度名前のある監督でも同じ状況だよ。配給がつかず、努力してつくった作品が日の目を見ない悲しい話もあるんだ」と現在の映画業界に難色を示した。
次回作については、「現在は4、5本の企画が動いている」と明かした。「実際にあったことがベースになっている作品だったら面白いな。世の中で1番怖いのは実際に起こったことだと思うから」と構想はあるようだ。そして製作費が確保できたあかつきには、「(ジェームズ・)キャメロンと(スティーブン・)スピルバーグが大好きだから、彼らのようなスケール感のある超大作のSFファンタジーを作りたいな!」と興奮気味に期待を膨らませた。
「インシディアス」は、8月27日から全国で公開。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

映画「F1(R) エフワン」
【語れば語るほど、より“傑作”になっていく】上がりきったハードルを超えてきた…胸アツをこえて胸炎上
提供:ワーナー・ブラザース映画

でっちあげ 殺人教師と呼ばれた男
【あり得ないほど素晴らしい一作】この映画は心を撃ち抜く。刺すような冷たさと、雷のような感動で。
提供:東映

たった1秒のシーンが爆発的に話題になった映画
【この夏、絶対に観るやつ】全世界が瞬時に“観るリスト”に入れた…魅力を徹底検証!
提供:ワーナー・ブラザース映画

186億円の自腹で製作した狂気の一作
【100年後まで語り継がれるはず】この映画体験、生涯に一度あるかないか…
提供:ハーク、松竹

なんだこの映画は!?
【異常な超高評価】観たくて観たくて仕方なかった“悪魔的超ヒット作”ついに日本上陸!
提供:ワーナー・ブラザース映画

すさまじい映画だった――
【あまりにも早すぎる超最速レビュー】全身で感じる、圧倒的熱量の体験。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

“生涯ベスト”の絶賛!
「愛しくて涙が止まらない」…笑って泣いて前を向く、最高のエール贈る極上作【1人でも多くの人へ】
提供:KDDI

究極・至高の“昭和の角川映画”傑作選!
「野獣死すべし」「探偵物語」「人間の証明」…傑作を一挙大放出!(提供:BS10 スターチャンネル)