ジブリ「コクリコ坂から」で初声優の長澤まさみ、ミスキャストだった?
2011年7月4日 17:49

[映画.com ニュース] スタジオジブリの最新作「コクリコ坂から」の完成披露会見が7月4日、物語の舞台である神奈川・横浜のホテルニューグランドで行われ、声優を務めた長澤まさみと岡田准一、デビュー作「ゲド戦記」以来5年ぶりにメガホンをとった宮崎吾朗監督、鈴木敏夫プロデューサーが作品への思いを語った。1963年の横浜を舞台に、ヒロインの女子高生・海(長澤)と先輩・俊(岡田)の交流をみずみずしく描く。
長編アニメ映画に初挑戦した長澤は、「子どものころから大好きだったジブリ作品に、しかも主役で声優ができるなんて夢にも思わなかった」と述懐した。それでも当初は「ハリキリ過ぎて、吾朗監督から『海ちゃんはそんなんじゃない』って言われちゃって」(長澤)。これに対し、鈴木プロデューサーも「最初はね、ミスキャストだと思ったんですよ。まさみちゃん、声がかわい過ぎて」とバッサリ。打ち合わせを重ねた結果、“ふだんの口調”でアフレコに臨むことになり「私、普通に話すと暗くて無愛想なんですが、吾朗監督が『それがいい』って。無愛想を求められる2日間でした(笑)」と無事に大役をこなした。
一方の岡田は「ゲド戦記」以来、2度目のジブリ作品で「吾朗監督の2作目にかける“覚悟”を知ってしまっていたので、僕で本当にいいのかと悩んだこともあった」。初日は緊張したというが「吾朗監督と行くところまで、一緒に行こうと。指示も的確に出してもらえて(前回とは)全然違った」と盟友の“成長”を手放しで称えていた。
企画と脚本を手がけた宮崎駿監督もすでに鑑賞しているといい、「見終わったら『おれが作った俊は、あんなに不器用な男じゃない。あれじゃ、まるで吾朗だ』って(笑)。親子ですし、素直に良かったと言うとは思っていなかったですけど」(鈴木プロデューサー)。吾朗監督は先日、テレビ局のリポーターを介して「もっとおれを脅かせてみろ」という父のメッセージを受け取ったそうで、「そう聞いて、僕は『死ぬなよ』って思いました。すごい人なので、延々と追いつけない存在」と当事者にしかわからない“親子愛”を披露した。
原作は「なかよし」(講談社刊)で1980年1~8月号に連載されていた少女漫画。翌年に東京オリンピックを控え、古いものが次々と失われた1963年。海が通う高校の文化部部室、通称“カルチェラタン”が取り壊されることに。これに異を唱える新聞部の俊らが反対運動を起こすなか、ふたりは次第にひかれあっていくが……。吾朗監督は、「初めて映画作りの苦しみを感じたし、苦労した仲間のような作品。初めてスタート地点に立った気がする」と胸を張った。
「コクリコ坂から」は7月16日から全国で公開。
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