ラース・フォン・トリアー監督、ナチス発言でカンヌ追放
2011年5月20日 19:57

[映画.com ニュース] カンヌ映画祭の常連、ラース・フォン・トリアー監督が、一昨年に同所で上映された「アンチクライスト」に続き、再びスキャンダルを巻き起こした。5月18日(現地時間)に披露された新作「メランコリア」は、いん石に直撃される地球の最後の日々に焦点を当てたもの。豪勢な結婚式をおこなうヒロイン(キルスティン・ダンスト)とその姉(シャルロット・ゲンズブール)の姿を通して、恐怖や絶望に追いつめられた人間の心理状態を描く。
作品に対する反応は賛否両論だったが、問題になったのは会見での発言だ。ドイツのロマン主義からの影響を述べた後に、「長いこと自分がユダヤ人だと思っていたが、その後、ナチに傾倒した。ヒトラーの気持ちは理解できる」と語り、反ユダヤ主義と糾弾された。映画祭側は即座に遺憾の意を表明したため、フォン・トリアー監督は同日のうちに映画祭サイトで謝罪。しかし、事態を重く見た映画祭サイドは、フォン・トリアー監督を追放してしまった。
「メランコリア」と同日にコンペティション作品としては河瀬直美監督の「朱花の月」、監督週間部門では園子温監督の「恋の罪」が上映された。フランスの映画通には河瀬監督の支持者が多いが、奈良を舞台にある夫婦の姿を神話と絡めながら描いた本作の評価は、今までよりもやや温度が下がる印象。だが、公式上映では約5分のスタンディングオベージョンが起こった。
園監督の作品は、渋谷のラブホテルで起こった実際の事件を題材に、さまざまな女性たちの姿を暴力性や倒錯性も含めて描写したハードな内容。終映が深夜にもかかわらず会場は熱い雰囲気に包まれ、こちらもスタンディングオベージョンが巻き起こった。すでにベルリンとベネチアに参加し、今回のカンヌで三大映画祭制覇を果たした園監督は、主演のひとりの神楽坂恵を伴いカンヌ入り。「少しずつ自分の作品が世界に認められているようでうれしい」と上映後に静かに興奮をかみしめる様子で語った。
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ナイトフラワー
【衝撃の感動作】昼、母親。夜、ドラッグの売人――大切な人のためならどこまでも頑張れる。
提供:松竹
面白すぎてヤバい映画
【目が覚める超衝撃】世界中の観客が熱狂・発狂し、配給会社が争奪戦を繰り広げた“刺激作”
提供:松竹
この冬、絶対に観る映画はありますか?
【私はこれを絶対に観ますね!!】心の底から推す理由が、たんまりあります!
提供:ディズニー
人生にぶっ刺さる一本
すべての瞬間が魂に突き刺さり、打ち震えるほどの体験が待っている。
提供:ディズニー
日本で実際に起きた“衝撃事件”を映画化
【前代未聞の事件】そして鑑賞後、あなたは“幸せ”の本当の意味を知る――
提供:KDDI
なんだこの天才的な映画は!?
【物語がめちゃくちゃ面白そう――】非常識なまでの“興奮と感動”を堪能あれ
提供:ディズニー