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カンヌ前半終了 ダルデンヌ兄弟作がコンペ部門をリード

2011年5月18日 14:30

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コンペ部門をけん引する「The Kid With a Bike」の ダルデンヌ兄弟ら
コンペ部門をけん引する「The Kid With a Bike」の ダルデンヌ兄弟ら
写真:AP/アフロ

[映画.com ニュース] カンヌ映画祭も折り返し地点に差し掛かった5月16日(現地時間)、今年のコンペティション部門のなかで最も期待されている作品の1本、テレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」が上映された。主演のブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリーを伴ってレッドカーペットに登場したほか、共演のジェシカ・チャスティンとショーン・ペンが練り歩いた。一方、報道陣の前にほとんど顔を出したことのないマリック監督は、前評判通り欠席した。

本作は、昨年のカンヌで上映される予定だったが、完成が間に合わずに見合わされた経緯がある。CGIの部分が多く、ポストプロダクションに1年近くも掛かったわけだが、その結果は「美しい」という以上に、奇跡的な映像美をたたえた巨匠の名に恥じない仕上がりになっている。

ヨブ記の引用にはじまり、地球の創世を経て1950年代のアメリカ南部、さらに現代までをたどる物語は、ひとつの家族像を主人公にしながらも、神話的、壮大なスケールを持った普遍的な人類のドラマと呼べる。50年代、威圧的な父親(ピット)の元で育った主人公(現代の部分をペンが演じる)が、兄弟を亡くし、喪失の痛みと子ども時代のトラウマを背負いながら人生の意味を模索する様子を描く。

ピットは会見で不在のマリック監督に代わり質問を受け、「(この家族では)母親は情愛と純粋で善良なものを表し、父親は生きのびるためにはライバルの息の根も止める存在を表している」「マリックとは何度も神学上の論議をしたけれど、彼は型にはまったキリスト教徒ではなく精神主義者だ」と語った。

前半が終わったコンペティションで最も評価が高いのは、シンプルでそつのないダルデンヌ兄弟の「The Kid With a Bike」。それに続くのが「ツリー・オブ・ライフ」、フランスの無声映画時代を舞台にした「The Artist」となっている。

後半には、下馬評の高いラース・フォン・トリアー監督の「メランコリア」や、パオロ・ソレンティーノの話題作「This Must Be the Place」、そして日本勢も待機するだけに、まだまだ予断を許さない状況だ。

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