第64回カンヌ映画祭開幕 デ・ニーロ審査委員長「民主的な賞選び」強調
2011年5月12日 12:57

[映画.com ニュース] 今年で64回目を迎えるカンヌ映画祭が5月11日(現地時間)、女優メラニー・ロラン(「イングロリアス・バスターズ」)の司会進行によって開幕した。
セレモニーの冒頭では、今年から新設された、世界的な評価を受けながらもパルムドールに輝く機会のなかった巨匠に与えられる栄誉賞(パルム・ドヌール)に選ばれたベルナルド・ベルトルッチが登場。映画祭ディレクターのジル・ジャコブから賞を授与された。健康的な理由から車イスで登場したベルトルッチは感無量の様子で、トロフィーを受け取るとカンヌとのなれそめについて語り、オープニング作品「Midnight in Paris」を携えたウディ・アレン監督と、今年の審査委員長で旧友でもあるロバート・デ・ニーロ、さらに「つねに批評性と闘う精神を忘れない自国イタリアの同胞たち」に賞を捧げた。

今年のコンペティションは20作品。ジル・ジャコブとティエリー・フレモーは、例年通り作家主義的な映画の支援とともに新人への門戸開放を強調していたが、蓋をあけてみればラース・フォン・トリアー、ペドロ・アルモドバル、ダルデンヌ兄弟、アキ・カウリスマキ、テレンス・マリックら、常連・大御所がずらりと並ぶ壮観な眺めとなった。日本からはカンヌの常連である河瀬直美監督の「朱花の月」と、コンペ初のライブ・フィクション3D映画となる三池崇史監督の「一命」が参加する。またパラレル部門の監督週間では、園子温監督の「恋の罪」が特別招待されたほか、短編部門には田崎恵美の「ふたつのウーテル」が入選した。
昨年に続き政治性も今年の大きなテーマだ。来年の大統領選挙に向けて仏サルコジ大統領の不人気がささやかれているなかタイムリーなのが、本人を主人公にしたアウト・オブ・コンペのフィクション「The Conquest」。現役大統領をテーマにしているだけに注目を集めている。ちなみにカーラ・ブルーニ大統領夫人はアレン監督作に脇役で出演しており、夫婦そろって話題を提供することに。さらにイラン政府によって6年の有罪判決を受け、20年の活動停止を申し渡されているジャファール・パナヒ監督が、政府に無許可で共同製作した「This is not a film」も特別上映される。

今年の審査員メンバーはデ・ニーロを筆頭に、ジュード・ロウ、ジョニー・トー、ユマ・サーマン、オリビエ・アサヤスら9人。デ・ニーロ審査委員長は、ディスカッションによる民主的な賞選びにしたいと繰り返していたが、果たしてどんな作品に軍配があがるのか。22日の授賞式で結果が明らかになる。
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