草刈民代「もう踊れません」“ラストダンス”に感慨深げ
2011年4月16日 14:14
[映画.com ニュース] 周防正行監督が手がけた最新作「ダンシング・チャップリン」が4月16日、全国7スクリーンで公開。チャーリー・チャップリンの誕生日にあたるこの日、周防監督と妻で主演の草刈民代は東京・銀座テアトルシネマで舞台挨拶に立った。
チャップリンを題材に、フランスの名振付師ローラン・プティが手がけたバレエ「ダンシング・チャップリン」の舞台を映画化。世界のトップダンサーが舞台に臨むまでの60日間を追った「アプローチ」と、本番の演目を収録した「バレエ」の2幕で構成する。現役引退を宣言した草刈は、今回が“ラストダンス”。「街の灯」に登場する盲目の花売り娘、「キッド」のキッド役まで全7役をこなし、36年のバレエ人生を締めくくる。
草刈は、「これが踊り手としては最後の仕事。もう踊れませんので、こうして見ていただき、良かったなと思います」と感慨深げ。「最後の瞬間でなければ踊れない踊りだったので、映像に収めてもらえたのは幸せであり、ありがたい」と周防監督への感謝を述べた。1幕と2幕の間に5分間の休憩をはさんだのは、草刈のアイデア。「幕間の休憩が、バレエに対する臨場感や集中力を高めてくれると思った」とこだわりを語った。
周防監督は「すでに草刈は引退を決めていたので、ルイジ(主演のルイジ・ボニーノ)と草刈のためにと思った」。ドキュメンタリーと本番演目の2部構成にした理由を「バレエを知らない人にも楽しんでもらえる作品にしたかった。過程を追うことで、アクシデントの背景にある振付師の思いやダンサーの葛藤(かっとう)を見てもらえれば」と説明した。
この日は、来場者にチャップリンのトレードマークである“山高帽”と“ちょびヒゲ”がプレゼントされ、フォトセッションでは周防監督もチャップリンに変身。122回目の誕生日を迎えた天国の喜劇王にオマージュを捧げた。