原田芳雄×阪本順治監督「大鹿村騒動記」に大物俳優が続々参戦
2011年1月10日 05:00
[映画.com ニュース] 阪本順治監督の最新作「大鹿村騒動記」に、原田芳雄が主演することがわかった。長野の大鹿村に300年以上も伝わる大鹿歌舞伎を題材にした作品で、2人がタッグを組むことを聞きつけた大楠道代、岸部一徳、松たか子、佐藤浩市ら豪華俳優陣が参加を表明し、続々と同所に駆けつけた意欲作だ。
同作は、原田がテレビドラマ「おシャシャのシャン!」の撮影で同所を訪問し、その伝統美に魅了されたことから企画が立ち上がった。そして、「いつかは(原田の)主演作を」と願い続けてきた阪本監督が、オリジナル脚本を執筆。こうして、「亡国のイージス」(2005)以来約6年ぶりのタッグが実現した。
原田が阪本監督と仕事をするのは今作で7本目だが、「おまえとは一緒にやったことがない」と言われたという。「こちらへの檄(げき)を含めたものでね。出会って20年かかってやっと実現したんですけれども、想像よりもスケールアップしたんですよね。こちらのほうがそこに追いついていくのが大変なくらい」。だからこそ、2週間という過酷なスケジュールの撮影も乗り切った。
日本の原風景ともいうべき同所で2人が映画を撮影するという“魔力”に引きつけられたのは、大物俳優たちだけではない。クライマックスとなる大鹿歌舞伎を再現する場面では、地元はもちろん日本各地から約850人のエキストラが結集。1カット1カットにOKが出るたびに拍手が沸き起こる熱い現場になった。原田は、「スタッフも役者もみんな、(この現場を)“夢”だって言っていましたね。信じられない夢を見ているようだとね」と振り返る。
映画は、シカ料理専門店を営む主人公・風祭善(原田)の前に、18年前に駆け落ちをして村を離れた妻・貴子(大楠)と幼なじみの能村治(岸部)が現れるところから始まる。前頭葉に疾患があり、駆け落ちしたことすら忘れてしまった妻を、治ともども店に住まわせることに。村は善も出演する大鹿歌舞伎の公演日を目前に控えていた。貴子は18年前に演じた役どころのセリフだけは記憶しており、舞台上で善と向き合うときだけ、昔の姿に戻るのだった。
銀幕デビュー作「復讐の歌が聞える」(68)から43年の間に、さまざまなキャリアを積み重ねてきた原田にとって、今作への思い入れは相当に強い。「阪本と20年かかって取り組めた作品だからね。いろいろやってきた中で、将来振り返ってみたとき、この映画が自分にとって節目になっている可能性はある。出来上がりがどうなるか、楽しみだね」と期待を寄せている。
「大鹿村騒動記」は、7月16日から全国で公開。
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