木村大作監督、次回作で「劔岳」超えに意欲
2010年6月3日 15:39

[映画.com ニュース] 映画製作において優れた活躍をしたプロデューサーに贈られる藤本賞の第29回授賞式が6月3日、都内で行われ、藤本賞を受賞した「劔岳 点の記」の木村大作監督、同新人賞を受賞した板尾創路らが出席。同賞は、生涯を映画製作に捧げ、227本もの作品を世に送り出した東宝の名プロデューサー、故藤本真澄の長年の功績を讃えて設けられた。
木村監督は「劔岳」で各映画賞を総なめにしたが、「映画作りに対する賞ですからね。これまでもらった賞のなかで一番うれしいですよ」と喜びを爆発。同作のエンディングクレジットは、全キャスト、スタッフを“仲間たち”と称しており「その意味をわかっていただいた意味は大きい」と万感の表情を浮かべた。公開当時は「これで映画界とおさらばする」と公言してきたが、この日は「言い過ぎちゃったかな。来年から収入ないんで、もう1本努力中。欲も出てくるし、『劔岳』を超える作品を作るだけ」と次回作に強い意欲を見せた。また、撮影監督としてデビューを飾った「野獣狩り」(1973)は、藤本氏がプロデュースを手がけており、感慨もひとしおの様子だった。
板尾は監督デビュー作「板尾創路の脱獄王」で新人賞を受賞。「(評論家の)おじさん、おばさんを怒らせるような映画を目指したので、本当にもらっていいんですかねえ」と戸惑い気味。それでも、「お客さんのことを考えず、自分なりのやり方を貫いた。それが良かったのかな」と分析。そして、「吉本興業からお金を出すから、好きに撮っていいと言われて、その通り好き勝手に作った。何の口出しもせず、正しい意味でのパトロンだと思う」と感謝を述べた。今後の監督業については、「次はどんな風に怒らせるか。一切撮らないというのが、一番の怒らせ方ですかね」と笑わせつつ、「次もタイトルに『板尾創路の』とつけることだけは決まっている」と意欲満々だった。
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