ロマンポルノ「団地妻」「後ろから前から」で22年ぶりに復活
2010年1月4日 07:04

[映画.com ニュース] 1971~88年のわずか17年間で1133本を製作した「にっかつロマンポルノ」が、「ロマンポルノ・RETURNS」として22年ぶりに復活することが分かった。
「にっかつロマンポルノ」は、斜陽にあった日本映画界で生き残るべく、日活が社運をかけて製作に着手したポルノ映画シリーズ。短期間・低予算ながらも、10分間に1回の“カラミ”を盛り込めば内容は自由という条件が多くの若手監督たちの創作意欲をかき立て、これまでに滝田洋二郎、中原俊、金子修介、根岸吉太郎、森田芳光ら日本を代表する映画監督を輩出している。
今回の復活では、アダルトビデオの大量生産やインターネットの普及によって、過激かつ手軽で身近なものになってしまったエロスの“復権”を目指す。空虚で男性の欲望を満たすためだけでなく、想像力を喚起するエロスの表現を追及することで現在の映画界に新たな旋風を巻き起こしていく。そんな記念すべき平成版ロマンポルノとして製作されたのは、「団地妻 昼下がりの情事」と「後ろから前から」の2本だ。
両作ともにリメイクではなく、オリジナル作品の世界観を踏襲しながら“今”の空気感を注入していく。「団地妻」では、71年に誕生したロマンポルノ第1作「団地妻 昼下りの情事」を基に、「櫻の園」の中原監督が現代の団地妻の姿態に迫るべく“古巣”に復帰。劇団「東京乾電池」で舞台を中心に活躍する高尾祥子が初ヌードに挑戦するほか、オリジナルに主演した白川和子が特別出演する。
一方の「後ろから前から」は、「板尾創路の脱獄王」の脚本を共同で手がけ出演もした増本庄一郎がメガホンをとる。78年に平尾昌晃とのデュエット曲「カナダからの手紙」で歌手デビューした畑中葉子が出演した「後から前から」。一世を風びした同名曲に乗って、3代目ミニスカポリスとして活躍し、初主演映画「エッチを狙え!-イヌネコ。-」で初ヌードを披露した宮内知美がタクシー運転手に扮するロードムービーで、コメディタッチに描かれる。
これまでとの相違点は、スカパー!HDによるPPV(ペイパービュー)放映と劇場公開を同時に行う試み。劇場の大画面だけでなく、自宅のテレビでの観賞も可能にすることで、封切り映画の新たな形を提案していく。また、女性が楽しめることを重視して製作しており、観客を限定しない開かれたエロスの世界が浸透するかにも注目が集まる。
「団地妻 昼下がりの情事」は2月13日から、「後ろから前から」は2月27日から、東京・渋谷のユーロスペースで2週間限定レイトショー。
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