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トロント映画祭閉幕。観客賞にサンダンスも制したオスカー大本命作品

2009年9月24日 12:00

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マライア&レニーを従えた ダニエルズ監督(左端)
マライア&レニーを従えた ダニエルズ監督(左端)
Photo:ロイター/アフロ

[映画.com ニュース] 第34回トロント国際映画祭が9月19日閉幕した。昨年、のちにアカデミー作品賞に輝く「スラムドッグ$ミリオネア」が受賞した最高賞ピープルズチョイス・アワード(観客賞)は、黒人監督リー・ダニエルズの「プレシャス(Precious:Based on the Novel‘Push’by Sapphire)」だった。

同作は、米人気司会者オプラ・ウィンフリーがプロデューサーを務めた米インディーズ映画。1987年のニューヨーク・ハーレムを舞台に、度重なる虐待を受けた10代の黒人の女の子が、ひとりの教師との出会いにより、読み書きを学び、行き止まりの人生から抜け出そうとするという感動のドラマ。原作はサファイア著「プッシュ」。テーマに共鳴したマライア・キャリーがソーシャルワーカー役で、レニー・クラビッツが看護師役で出演している話題作だ。

今年2月のサンダンス映画祭で(「プッシュ」の題名で)グランプリを受賞。5月のカンヌ国際映画祭でも「ある視点」部門に正式出品されて世界的な注目を浴びた。サンダンスとトロントのW受賞は史上初のことであり、今年度のアカデミー賞レースに弾みがついた。同作は11月6日より全米で限定公開される。ちなみに、アカデミー作品賞受賞作でトロント映画祭観客賞受賞作には、上記の「スラムドッグ」のほかに、「アメリカン・ビューティー」や「炎のランナー」がある。

スペインのサンセバスチャン映画祭に出席中で、トロント映画祭閉会式を欠席したダニエルズ監督は「この受賞は特別な意味がある」と感謝の意を表明。「鏡の中を見て、過去を振り返って不安を感じてしまうようなすべての人びとのために、僕はこの映画を作った」と製作の意図を改めて声明で説明した。

また、ピープルズチョイス・アワードの次点はブルース・ベレスフォード監督の「Mao's Last Dancer」、第3位はジャン=ピエール・ジュネ監督の「Micmacs」だった。

また、ドキュメンタリー部門では、マイケル・ムーア監督の新作「キャピタリズム/マネーは踊る」(2010年1月公開)は、ニュージーランドのレズビアンのカントリー歌手を描いたリーアン・プーリィ監督の「Topp Twins」の次点となり、惜しくもピープルズチョイス・アワード受賞はならなかった。

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