「闇の子供たち」102館へ拡大公開!妻夫木聡も俳優冥利を実感
2008年9月16日 12:00

[映画.com ニュース] 梁石日の同名長編小説を映画化した「闇の子供たち」(阪本順治監督)が興収1億5000万円を突破。同作の大ヒット御礼舞台挨拶が9月14日、東京・有楽町スバル座で行われ、阪本監督とフリーカメラマンの与田を演じた妻夫木聡が登壇した。
タイで実際に横行している幼児買春や違法な臓器密売の問題に鋭く切り込んだ本作。8月の公開当初は全国でわずか7スクリーンでの上映だったが、全国劇場から上映依頼が殺到し、公開7週目の現在は102スクリーンにまで拡大され、異例のロングラン・ヒットとなっている。
妻夫木は与田役のオファーを受けた当時を振り返り、「あまりにも救いのない話だったので、見た人にどういうテーマとして投げかけられるか悩み、一度は断ろうと思った」と告白。「でも監督が『この映画で世界を変えるつもりはない。でも映画人としてこの映画を作るしかないんだ』とおっしゃっていて。僕もひとりの俳優として“芝居”で誰かの心を動かせるならやるしかないと感じた。(本作への出演は)僕自身の使命であり、責任だと思った」と並々ならぬ思いで撮影に挑んだことを明かした。
阪本監督は「妻夫木君の役はまさに自分。今まで知ろうとしなかったことを目撃し、知ってたじろぎ、“カメラという武器”で自分に何ができるかを模索する。彼の姿を通して観客にも同じ体験をしてもらいたかった」と語った。
最後に観客へのメッセージとして、妻夫木は「何かしようとしなくてもいい。見てくれた人がどう考えたのかが未来へつながるはず!」とコメント。監督は「企業はエコには興味を示すが、買春といった問題には目を向けてくれない」と日本の現状を嘆きながらも、「皆さん、現地で活動しているNGOを応援してあげてください」と締めくくり、会場は温かい拍手で包まれた。「闇の子供たち」は現在公開中。
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