阪本順治監督がタイの人身売買問題に切り込む「闇の子供たち」が完成
2008年3月24日 12:00
[映画.com ニュース] 3月21日、梁石日の同名長編小説を映画化した阪本順治監督の「闇の子供たち」の完成披露試写会が東京・新橋のスペースFS汐留で開かれ、阪本監督が舞台挨拶に登壇した。
「闇の子供たち」は、タイで横行する児童売買春や臓器密売を描く問題作だが、キャストには企画に賛同した江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市ら、人気・実力もトップクラスの俳優が顔を揃えている。
昨今の日本映画界では少なくなってきた、こうした現実の社会問題を描いた映画を手がけたことについて阪本監督は、「映画とは本来、日陰、暗闇にあるものに光を当て、浮かび上がらせるものだと思う。この作品は、いつか光を当てないといけなかった闇を描いていますが、それはタイの問題だけではなく、戦争や環境問題、いじめなど、いま世界中に起こっている出来事に共通する、全ての根っこになっている問題だと思う。ただタイの問題だけを告発するために作ったのではなく、日本人そのものへの興味から作ったものです」と力強く述べた。
また、阪本監督は「決して癒される作品ではありませんが、この作品を見て何か心に響くものがあれば」と壇上からメッセージを送った。
「闇の子供たち」は今夏、シネマライズほかにて公開。