蜷川幸雄の新たなミューズ、吉高由里子が大胆ヌードも披露。「蛇にピアス」
2008年7月16日 12:00
[映画.com ニュース] 弱冠20歳で04年芥川賞を受賞した金原ひとみの受賞作を、世界的な舞台演出家の蜷川幸雄が映画化した「蛇にピアス」の完成報告会見が、7月15日、東京・六本木のザ・リッツ・カールトン東京にて行われ、蜷川監督、主演の吉高由里子、共演の高良健吾、ARATA、原作者の金原が登壇した。
本作は、単調な日々を過ごす19歳のルイ(吉高)が、蛇のように割れた舌を持つ全身ピアスと刺青だらけの青年アマ(高良)、サディストの彫り師シバ(ARATA)と出会い、突き動かされるように肉体改造にのめり込んでいく姿を描くもの。蜷川の舞台で活躍する小栗旬、唐沢寿明、藤原竜也らも特別出演している。
「地球は46億年、私はやっと20年生きている。地球のため息ほどの私の一生なら皆さんに授けようかなという気持ちで、思い切って撮影にのぞんだ」と語る吉高は、本作が映画初主演。劇中では、“本番”も覚悟していたという大胆なヌードシーンも披露している。「作品を根っこから愛している」と吉高が絶大な信頼を寄せる蜷川監督は、「オーディションではグニョグニョしていたが、早い段階で吉高しかいないと思った」と新たなミューズ誕生の秘話を明かし、吉高を「パズルを解くような感覚で演出した」と語った。蜷川監督は“鬼の蜷川”と呼ばれるほど厳しい演出で有名だが、高良が「恥を恐れるな!と指摘され、自分の殻を破ってみようと思った」と話すと、「覚えてない(笑)」ととぼける一幕もあった。
また、蜷川監督は衝撃的な内容が話題となった原作について、「(登場人物たちと)年齢はだいぶ離れているけれど、原作の世界に違和感は感じなかった。普通名詞から固有名詞になりたいと願う若者たち、俺も外見以外は同じだと思った」と語ると、金原は「10年くらい前から監督の大ファン。監督のオリジナリティが加わり新たな一面が見えた」と出来上がった映画を絶賛した。
写真家で映画「さくらん」の監督でもある娘の蜷川実花も本作を鑑賞したそうで、「“クールで綺麗だったね”と言っていた。一時、娘の方が若いし(監督に)いいかなと思ったが、思い直した」と父親の威厳を守ったようだ。
「蛇にピアス」は9月から全国ロードショー。